男性職員の育児休暇(以下、育休)の申請を目にするようになった。主に看護師、介護職員、薬剤師など、コメディカルからである。
医師からの申請はまだないと思っていたところ、『日医ニュース(1385号)』の「勤務医のひろば」で、佐原克学先生の『育児休暇の思い出』を拝読した。仕事に、家庭に、精一杯取り組んでこられた先生の姿勢に敬意を表したい。
表題はサラリーマンの長男の話である、解雇も覚悟で1年間の休みを取った。そして、妻と二人で初の子育てをした後、予定通り復職した。勤務先では男性の育休自体前例がなく、周囲ではざわめきもあった。しかし、同年代からは歓迎される空気も感じたという。
休みたいけれども、踏み出せない人が少なくないためであろう。彼が前例となり、後に続く人が出るであろうし、このような事例は企業のイメージアップにもつながると思われる。
男・育休・1年、親であっても初めはあぜんとしたが、慣行に縛られない若者に今はエールを送っている。
日本の子育て支援制度は意外に充実している。産休中は健康保険から、育休中は男女とも雇用保険から手当てが支給され、雇用主の給与負担はない。勤務状況によっては非常勤でも対象となり、育休期間は最長2年間に延長された。海外では男性の育休は当たり前のことであり、首相や大臣も休暇を取っている。
ガムシャラ世代が昔の話をしても始まらない。医療界でも働き方と働かせ方、両方の意識改革が求められていると感じている。
(骨コツ)