日医定例記者会見 8月6日
長島公之常任理事は、一部全国紙の報道に対する見解並びに日医のスイッチOTC医薬品についての対応方針を説明した。
同常任理事はまず、委員として参加している厚生労働省の「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」について、一部の全国紙で委員の構成や会議の成果など、同検討会議の存在意義を疑問視する報道がなされたことに触れ、「同検討会では、医師である委員の方々が、医学の専門家として科学的に検証する立場から発言し、他の委員と共に真摯に議論している」と述べ、当事者ではない調査会社の一方的な見解を鵜呑みにした内容に疑問を呈した。
また、7月25日に開催された同検討会において、厚労省事務局に同報道への見解を求め、樽見英樹医薬・生活衛生局長から、(1)本検討会議は、スイッチOTC医薬品とすることの妥当性を専門的見地から科学的に検証することが目的である、(2)スイッチOTC化されたから医療用でなくなるということはなく、医療上必要な医薬品は保険でも対象とされていると認識している、(3)スイッチOTC化については本検討会議で引き続き丁寧に議論していく―との回答を得た他、座長からも、「安全性を最優先とし、慎重に検討する」との姿勢が示されたことを紹介した。
同常任理事は次に、スイッチOTC医薬品に関する日医の対応方針を説明。国民の利便性の向上は大切である一方、最優先すべきは国民の安全だとした上で、「スイッチOTC化が妥当である医薬品の条件として、"自覚症状があり、比較的短期間の服用や使用で改善が期待できて、自ら服用や使用の中止を判断できる"ということを主張している」と述べるとともに、「スイッチOTC医薬品があれば医療用医薬品が無くて良い、ということにはならない。医療は国民が生きる上でのセーフティネットであり、国民が安心して過不足無く適切な医療及び薬物治療を受けられるようにすることは国の責務である」と強調した。
同常任理事は最後に、「日医は今後も、国民の安全を確保し、また、国民の医療へのアクセスが阻害されることがないよう、医薬品のスイッチOTC化についてしっかりと検討していく」と述べ、国民、関係者へ理解を求めた。
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