閉じる

令和元年(2019年)11月5日(火) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

医薬品の安定供給を要望

日医定例記者会見 10月16日

 長島公之常任理事は抗菌薬のセファゾリンなど、医薬品の供給不足が医療現場に混乱を招いているとして、安定した供給体制の構築を求めた。
 同常任理事はこの数年、医薬品に発がん性物質が混入する事案や、製造量不足、海外で製造される原薬が入手困難になるなどにより、医薬品が供給されず医療の現場に混乱をもたらす事態が起きていることを危惧。
 この問題に関しては、5月22日に開催された政府の「第16回 健康・医療戦略参与会合」において、横倉義武会長が、(1)問題があった場合に、原薬も含めた原産国や工場を追跡できるよう、企業による積極的な情報開示及び情報技術を用いた情報管理によるトレーサビリティを確保するべき、(2)抗菌剤や電解質・ビタミン製剤など生命維持に欠かせない医薬品の安定供給は国の安全保障にもつながる重大事項であり、国内自給を促進するべき、(3)後発医薬品及びバイオ医薬品の使用促進には、更なる信頼を得るため、安定的な供給に努めるよう国が指導するべき―であると主張したことを紹介した。その上で、厚生労働省と個別の製薬企業との間で随時対応が協議されていることに触れ、「日医としても、原薬等の調達、製造工程の管理、連絡体制、自主点検や早期の事前の手当などにより、製薬企業各社が医薬品を適切に医療現場へ供給することを強く求めている」とした。
 とりわけ抗菌薬のセファゾリンに関しては、半年以上経過した今でも供給が安定しておらず、厚労省の調査によって一部の医療機関において手術を延期するなどの深刻な事案が生じていることが明らかになった上に、同省が示したセファゾリンの代替薬リストに対し医療現場から疑義が寄せられ、混乱を来したことを指摘。
 このような事態を起こさないためにも、厚労省に対しては医療現場の声を丁寧に把握し、情報提供することを求めていくとするとともに、「医療に不可欠な医薬品が安定して供給されることは、国民の安心・安全な生活に欠かせない。厚労省と協力し、安定供給のリスクがある医薬品をいち早く把握するなど、医療現場で混乱が生じないよう引き続き対応していく」との姿勢を示した。

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる