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令和元年(2019年)11月20日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

産業保健委員会中間答申まとまる

日医定例記者会見 10月30日

 松本吉郎常任理事は、会内の産業保健委員会でこのほど、中間答申を取りまとめ、10月2日に相澤好治同委員会委員長(北里大学名誉教授)から横倉義武会長宛てに提出したことを報告した(写真)
 本中間答申は、会長諮問「産業医の組織化に向けた具体的方策 産業医のスキルアップと活動支援」を受け、5回の委員会を開催して検討を重ねた結果、取りまとめられたものである。
 その中では、全国的な「産業医の組織化」について検討を行うに当たり、基礎情報を収集するため、本年7月、都道府県医師会並びに郡市区医師会を対象として実施した、「産業医に関する組織活動実態調査」の結果概要が示されている他、各地域の事業者からの要請に産業医がしっかりと対応できる体制整備に向けて、まずは各地域における既存の組織形態や取り組みを最大限尊重し、早急に既存の組織の全国ネットワーク化を図ることが重要であると提言されている。
 具体的には、(1)日本医師会と産業医の懸け橋となっている全国の産業医(部)会等のネットワーク化、(2)認定産業医支援事業の充実・強化―を目的として、現在、日医主催で毎年開催している「都道府県医師会産業保健担当理事連絡協議会」を発展解消し、「全国医師会産業医(部)会連絡協議会(仮称)」(以下、連絡協議会)の設置を提案。
 主な構成員としては、「都道府県医師会産業保健担当役員」「産業保健活動推進を目的として設置された組織の長」「日本医師会役員」「日本産業衛生学会役員」等、後援を依頼する機関は、「厚生労働省」「労働者健康安全機構」「産業医学振興財団」「産業医科大学」「中央労働災害防止協会」を挙げるとともに、各地域での組織化推進に際して、段階に応じた組織形態や事業内容を示した参考資料が添付されている。
 また、連絡協議会が現場の産業医から支持される組織となるために、①スキルアップ②情報提供③相談対応④事業場斡旋(あっせん)⑤活動支援―の五つを柱として、産業医支援事業の更なる内容の充実を図るべく検討を深めていくべきとしている。
 同常任理事は今回の全国組織化について、「産業保健に係る関係団体と手を取り合いながら、嘱託・専属にかかわらず全ての産業医に加入して頂きたいという気持ちで活動していく」との考えを示し、「各医師会に設置している医部会や委員会の組織を活用することを考えている。また、組織がないところでも検討頂ければと思っているが、現状では、各地域の医師会で取り組んでいる内容や構成員も異なっているため、無理強いするのではなく、それぞれの医師会で工夫をして取り組んでいって欲しい」と述べた。
 また、本中間答申の基礎資料となった実態調査が100%近い回答率であったことについては、日医が目指す全国組織化に対する各医師会からの強い期待の表れであるとし、「今後も日医が中心となって、現場第一線で活動している産業医を守る観点から、産業保健活動に取り組んでいるさまざまな団体と連携しつつ、全国組織化の体制整備に取り組んでいく」との考えを示した。
 なお、本中間答申については、10月10日に開催した第41回産業保健活動推進全国会議において説明を行い、全国の産業医(部)会等のネットワーク化への理解と協力を求めた。

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