日本医師会設立72周年記念式典並びに医学大会が11月1日、日医会館大講堂で開催された。 当日は、日本医師会最高優功賞・優功賞・医学賞・医学研究奨励賞の授与の他、ノーベル生理学・医学賞受賞者の大村智北里大学特別栄誉教授による特別講演などが行われ、受賞者の長きにわたる功績を称えた(受賞者一覧は別記事参照)。 |
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記念式典並びに医学大会には、堀憲郎日本歯科医師会長、山本信夫日本薬剤師会長の他、ミゲル・ジョルジュ世界医師会(WMA)会長、K.K.アガラワルアジア大洋州医師会連合会長ら、海外からも多くの来賓が出席した。
冒頭、あいさつした横倉義武会長は、「医師と患者という縁から信頼関係を結び、患者の生命・健康を最も身近で守り続ける存在が、かかりつけ医である」と強調。そのかかりつけ医が中心となって、「防ぎ・治し・支える医療」を国民に提供していくことこそが、人生100年時代の医療を象徴する姿であり、今後目指すべき医療の方向性であるとした。
また、「AIやICT等の医療への活用によって、医師による十分な診療時間を確保し、患者の満足度を高めていくことが、病ではなく人を診るという、本来の医師・患者関係を取り戻し、ひいてはかかりつけ医の普及拡大につながる」として期待感を表明するとともに、健康長寿社会の実現に向けた取り組みを深化させていく決意を改めて示した。
来賓あいさつでは、まず、加藤勝信厚生労働大臣の祝辞を自見はなこ厚労大臣政務官が代読。「本大会を通じて、本日の受賞者の功績を、会員の先生方に披露することは、日医ばかりでなく、わが国の医学研究・医療の発展にもつながるものと考えている」とした上で、「厚労省としても、その後押しができるよう、医療提供体制の構築、医学研究・開発の発展に努めていきたい」と述べた。
続いてあいさつしたジョルジュWMA会長は、横倉会長のWMA会長としての功績について、「UHCの推進と緊急災害対応の強化に関する覚書」をWHOと締結したこと、非感染性疾患NCDsとUHCに関する国連ハイレベル会合に出席したことなどを挙げ、感謝の意を示すとともに、今後もWMAとして、医療の質の向上に向けた活動に対する協力を続けていく考えを示した。
引き続き、その他の来賓者が紹介された後、表彰式に移り、受賞者に対して、横倉会長から表彰状と記念品目録が授与された。
受賞者を代表して、謝辞を述べた今井立史山梨県医師会長は、「令和という新たな時代となった際に、日本医師会最高優功賞を受賞できたことは、将来忘れ得ぬ喜びとなった」とした上で、「医療を取り巻く環境は厳しいものがあり、横倉会長の下、各医師会が一致団結していかなければならない」と強調。今後については、「先達の築いてきた歴史に恥じぬよう、これからもなお一層研鑽に努め、医学の振興、国民医療の向上に努めていきたい」と述べた。
午後には、日本医師会医学賞受賞者による「がん遺伝子RETと細胞運動制御因子Girdinの発見と機能に関する研究」(髙橋雅英名古屋大学大学院医学系研究科教授)、「健康寿命に関する疫学研究と健康寿命延伸に向けた提言」(辻