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令和2年(2020年)4月6日(月) / 「日医君」だより

第6回新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会

 第6回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会が4月3日、テレビ会議システムを利用して、日医会館で開催された。

 冒頭あいさつした横倉会長は、当日、安倍晋三内閣総理大臣と会談の上、医療機関の現状を説明し、支援を求めてきたことを報告。都道府県医師会に対しては、「今後は新型コロナウイルス感染症に対応できる医療機関と、そうでない医療機関をしっかり分けることが必要だ」と述べ、その対応を求めた。

 次に、釜萢敏常任理事が、(1)4月1日の定例記者会見で公表した「医療危機的状況宣言」、(2)新型コロナウイルス対策専門家会議の提言(4月1日)、(3)迅速簡易検出法(イムノクロマト法)による血中抗SARS-CoV-2抗体の評価、(4)濃厚接触による自主的な就業制限、施設の使用制限に関する日本医師会の考え方、(5)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するBCGワクチンの効果に関する見解―等について、説明した。

 (3)については、3つの区分(「感染拡大警戒地域」「感染確認地域」「感染未確認地域」)を判断する際に考慮すべき指標の他、軽症者は自宅療養以外に施設での宿泊の選択肢も用意すべきなどの考えが示されているとした。

 (4)に関しては、「期待されていたように、感染早期にPCR検査と同等の役割を果たすことは難しい」とする、国立感染症研究所による調査結果を紹介。また、(6)については、日本ワクチン学会から、「新型コロナウイルスによる感染症に対してBCGワクチンが有効ではないか」との仮説に対して、「いまだその評価が科学的に確認されたものではなく、現時点では否定も肯定も、もちろん推奨もされないこと」「乳児に対する定期予防接種分を優先して確保すべきこと」などが示されていることを報告した。

 石川広己常任理事は、「新型コロナウイルス感染症対策における医師会の救急・周産期医療提供体制の考え方」として、日医、都道府県・郡市区医師会が果たすべき役割を明示。行政機関(搬送含む)、自衛隊、関係団体やDMAT等の連携、都道府県協議会や調整本部への関与と周産期医療協議会の活用の他、新型コロナウイルス感染症に感染した場合に重症化するおそれのある患者等に対する啓発、夜間・休日の外来診療体制の補強等に関する協力を求めた。

 都道府県医師会との質疑応答では、兵庫県医師会が特措法に基づく「緊急事態宣言」を早期に出してもらえるよう国への働き掛けを要望。横倉会長は、日医としても、引き続き政府に対して要望していく考えを示すとともに、「東京都のように、知事に緊急事態宣言のようなものを出してもらうことも考えられる」として、協力を求めた。

 奈良県医師会からは、新型コロナウイルス感染症患者の拡大に伴うオンライン診療の活用に対する日医の考えを問うとともに、感染症患者を診た医療機関に対する診療報酬上の評価が求められた。

 今村聡副会長は、4月2日に開催された厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」において、時限的な措置としてオンライン診療を更に活用する4つのケースが示されたこと等を説明した上で、「いずれにしても、医師にしっかりと判断してもらうことが重要になる」と述べた。

 診療報酬上の評価に関しては、松本吉郎常任理事が「入院・外来の体制の在り方について整理した上で、何らかの評価ができないか、中医協で検討していきたい」とするとともに、交付金や基金の活用についても検討していく考えを示した。

 東京都医師会は、軽快した入院患者を都内のホテルに移行させることになったことを報告、そのためのJMATの派遣の必要性について述べた。これに対して、石川常任理事は、今回の状態を災害とみなし、JMATが派遣できるよう、既に検討を開始していることを明らかとし、派遣の際の協力を求めた。

 鹿児島県医師会から学校健診の際の防護具不足を懸念する意見が出されたことに対しては、道永麻里常任理事が各学校で手袋やマスクを用意してもらえるよう、政府に要望する考えを示した。

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