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令和2年(2020年)5月20日(水) / 日医ニュース

陽性者受け入れ病院で

 壮絶なドラマが続いている。患者の命、自分や家族の命、お腹の中の命を守るため、ウイルスが舞う中、皆体を張って頑張っている。コロナ担当を家族に話した人も、誰にも言い出せずにいる人も。時に、巷の心無い言葉に折れながら。
 当院は指定病院でないが、地域の要として早くから対応してきた。クルーズ船に「DMAT」も派遣した。緊迫の毎日であるが、幸い執筆時点で院内伝搬は確認されていない。総理の緊急事態宣言で、冒頭に発せられた医療従事者への謝意とエールは、疲れ切った職員には嬉しかった。
 一方、広報委員として見た日医の動きは素早かった。「日本医師会 赤ひげ大賞」表彰式始め、大きなイベントは早々に延期を決め、諸会議をテレビ会議に切り替えた。その後も、頻回の記者会見や政策提言、横倉義武会長のNHK「日曜討論」への出演など、組織を挙げて取り組んでいる。
 災害は忘れなくともやって来る。キャパシティーを超えた患者が押し寄せた場合はどうするか、我々は常に考えておく必要がある。その時、分厚い防災マニュアルや机上のBCP(事業継続計画)は役に立たない。求められるものは、強力な管理者権限とシンプルな指揮命令系統、そして有事には私論を抑えて長に従う心構えであろう。
 いろいろな災害を経て、日本の医療は確実に強くなってきている。このプリズムが届く頃には、少しでもコロナ後が見えてくることを祈っている。
 今は最前線から、全医療界の後方支援と、全国民の協力を願う。

(骨コツ)

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