「不要不急」とは、『広辞苑』によれば「どうしても必要というわけでもなく、急いでする必要もないこと」と解される。行政等から国民に対して行動の自粛を要請する場合によく使われる。
今回の新型コロナウイルス感染症に関しても、当初から「不要不急」の外出を控えるようにと連日報道された。「不要不急」との判断基準(?)は、外出に限らず会議、講演会、研修会等、幅広く適用された。
その解釈は難しく、講演会、研修会等は、軒並み延期、あるいは中止されたが、会議によっては「不急であるが(?)、不要ではない」ものも少なくなく、開催の是非で主催者を悩ませた。
どうしても延期できず必要な会議は、案内時に当日の体調を確認の上で出席することをお願いし、出入時のアルコール消毒、マスク着用、人と人との間隔を空ける、窓を開けるなどの対策を講じて、可能な限り短時間で行われた。あるいはテレビ会議、メール、持ち回り開催などで対応された会議も多いのではないかと考える。
また、「3密」という言葉も新型コロナウイルス感染症対策でのキーワードとして頻用された。ちなみに「三密」という言葉は、密教(みっきょう)で仏の身・口・意の働き。人間の思議が及ばないので、密というらしい。当然、今回、使われている「3密」は、「密閉」「密集」「密接」を指す。時事用語であり、クラスター対策としての啓発的な言葉である。
今後も有事の際には、「不要不急」基準による適切な行動変容が求められる。
(榮)