第15回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会が7月31日、日医会館会議室でWEB会議により開催された。
冒頭あいさつした中川俊男会長は、1.7月15日の記者会見で「新型コロナウイルス感染症対策再強化宣言」を発表した他、翌22日には緊急事態宣言解除後、初となる連休を前に国民に対して、「我慢の4連休」とすることを強く訴え掛けたこと2.感染防止対策を徹底している医療機関に対して、「みんなで安心マーク」を発行することを決めたこと―など、日医のこれまでの対応等を説明。出席者に対して、日医の取り組みへの支援とともに、各地域での課題や取り組み等に関する忌憚のない意見を求めた。
議事ではまず、笠貫宏日本医師会COVID-19有識者会議副座長が同会議の下に設置された「COVID-19感染対策におけるPCR検査実態調査と利用促進タスクフォース」が5月13日に取りまとめた中間報告の解説版が完成したことを報告し、その活用を求めた。
釜萢敏常任理事は、まず、当日開催された新型コロナウイルス感染症対策分科会の内容や、直近の発生状況として、東京だけでなく、各地に感染が広がるばかりでなく、感染経路不明の感染者も増えていることなどを説明。「3週間後の感染状況を常に考えて、対応策を考えていくことが重要になる」との考えを示した。その他、釜萢常任理事は、「みんなで安心マーク」の発行までの流れ等を解説。その活用を呼び掛けた。
松本吉郎常任理事は、都道府県医師会を対象に「新型コロナウイルス感染症対策に係る国等の支援制度(令和2年度第2次補正予算等)に関する情報提供フォーム」を開設したことを報告。「国等の支援制度に関して、現場で問題となっている事例等がある場合は、ぜひ情報を提供して欲しい」とした。
また、現在、日医が実施している「新型コロナウイルス感染症対応下の診療所経営調査診療所の経営調査」についても触れ、「月毎の損益状況をぜひ把握したい」として、協力を求めた。
長島公之常任理事は、会内の前期救急災害医療対策委員会が『新型コロナウイルス感染症時代の避難所マニュアル』を取りまとめたことを改めて説明。「この度、同内容の冊子を制作し、都道府県・郡市区医師会に送付するので、ぜひ、活用して欲しい」と述べた。
秋・冬の診療体制については、当日、オブザーバーとして出席した厚生労働省事務局から、現在検討が進められている「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備の検討(たたき台案)」を基に、基本的な方向性(案)等について説明が行われた。
質疑応答の中では都道府県医師会から、「感染の広がりを防ぐためにも、こういう時だからこそ、産業医が積極的に職場を訪問するよう国に働き掛けて欲しい」「会食をする際の基準のようなものを日医が示して欲しい」(静岡県)、「重点医療機関の基準の緩和」(沖縄県)、「児童生徒や高齢者にインフルエンザワクチンを無料で接種すること」(岡山県)、「発熱外来への診療報酬上の評価」(神奈川県)等を求める要望の他、秋冬の診療体制については、「発熱者等の相談・外来・検査フローの中に保健所が含まれていないこと」(大阪府)や「発熱患者を診察・検査する検査協力医療機関が原則公開とされていること」(奈良・兵庫両県)を問題視する意見も出された。
今後、同協議会は感染症状況も踏まえながら、定期的に開催することとしており、次回は8月末を予定している。
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