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令和2年(2020年)9月25日(金) / 「日医君」だより

第17回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会

 第17回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会が9月24日、日本医師会会館会議室でWEB会議により開催された。

 冒頭あいさつした中川俊男会長は、「プロ野球や映画館などの入場人数制限が緩和されるなど、人の動きが活発化し、いつどこで感染拡大が起こっても不思議でない状況下においてはより正確な状況把握に努める中で、いち早く感染拡大の兆候をつかみ、適切に対応してくことが必要になる」と指摘。日本医師会としても引き続き、新型コロナウイルス感染症をめぐるさまざまな課題について、厚生労働省など関係各所と協議の上、迅速に対応していくとして、更なる支援を求めた。

 

 当日の議事は、(1)新型コロナウイルス感染症の直近の発生状況、(2)インフルエンザ流行期に備えた発熱患者の外来診療・検査体制確保事業、(3)「医療資格者の労災給付の上乗せを行う医療機関への補助」に関連した日本医師会の支援策―等についてであった。

 (1)では、釜萢敏常任理事が当日開催された「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」の資料を基に、「4月などと比べて、感染者の減少速度が緩やかになっている」「40代、50代の新規感染者の割合が高まっている」など、最近の傾向を説明。引き続き、基本的な感染予防対策の実施が大事になるとした。

 

更に、これまでの対応方針からの変更点として、①感染症法に基づく入院措置の対象を、高齢者や基礎疾患を有する等の重症化リスクのある者や現に重症である者等の医学的に入院治療が必要な者とする②疑似症患者の届出については、入院症例に限られる―ことなどを挙げるとともに、最近の動きとして、「患者本人による鼻前庭からの検体採取が実用化される可能性があること」「アビガンについては、来月にも国に承認申請が行われる見通しであること」などを紹介した。

 質疑では、奈良県医師会が診療所において、鼻咽頭ぬぐいによる検体採取の診療報酬上の評価の引き上げを要求。松本吉郎常任理事は、「厚労省にはかねてからその引き上げを求めているが、引き続き強く要望していく」と回答した。

 

 (2)では、まず、釜萢常任理事が「発熱等の症状のある方の相談・受診の流れ」について解説。「インフルエンザが流行する今冬を前に発熱患者を受け入れる体制の整備が急がれる中で、地域の実情に応じた対応をお願いしたい」とした他、「診療・検査医療機関(仮称)」の指定を受けた医療機関の公表に関しては、あくまでも医療機関が申し出を行い、その上で地域の医師会も認めなければ公表されることはないとした。

 また、「インフルエンザ流行期に備えた発熱患者の外来診療・検査体制確保事業」については、オブザーバーとして参加した厚労省事務局からその概要について説明が行われた。

 質疑では、多くの医師会から「インフルエンザ流行期に備えた発熱患者の外来診療・検査体制確保事業」について、発熱患者を積極的に診た医療機関が報われるような仕組みに見直すことを求める要望が出された。これに対して、厚労省事務局は「本事業は財政当局と厳しい折衝を行った結果、認められたものである」として理解を求めるとともに、引き続き、地域医療を守る観点から予算要求をしていく考えを示した。

 「『診療・検査医療機関(仮称)』の指定期間においては『G‐MIS』及び『HER-SYS』に必要な情報を入力する」とされていることに関しては群馬県医師会などからその見直しを、また、「発熱等の症状のある方の相談・受診の流れ」については大阪府医師会が保健所の役割が明記されていないことを問題視し、その改善を求める意見がそれぞれ出され、厚労省事務局からは見直す意向が示された。

 宮城県医師会は、抗原検査の実施方法について、日本医師会と厚労省が協力してマニュアルや動画の制作をして欲しいと要望。これに対して、厚労省事務局は「早急に制作し、対応する」と回答した。

 (3)では、今村聡副会長が医療機関がより少ない負担で医療従事者に対する補償を行うことができるよう、日本医師会他医療関係団体からの寄付金、厚労省からの補助金を活用して「新型コロナウイルス感染症対応医療従事者支援制度(仮称)」の開始に向けた準備を進めていることを報告。「制度開始の際には医療機関への案内をぜひお願いしたい」と述べた。

 その他、当日は宮城県医師会から新型コロナウイルス感染症に係る行政検査実施に伴う唾液検体採取方法に関する動画を制作したことが、大阪府医師会から医療機関が行政検査を実施するに当たっての補償に関して大阪市と合意したことなどの紹介があった。

 協議会の最後には中川会長が、「『診療・検査を担う医療機関(仮称)』の公表に関しては、医療機関の申し出と地域の医師会の合意がなければ公表されることはない」と強調した他、厚労省から発出される事務連絡の内容について、都道府県レベルで理解されていない部分が多いことに懸念を示し、「問題があればぜひ日本医師会に知らせて欲しい」と述べ、協議会は終了となった。

 なお、次回の本協議会は10月末に行う予定となっている。

◆映像でご覧いただけます。(メンバーズルーム内の掲載となります)
映像配信 新型コロナウイルス感染症関係

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