閉じる

令和2年(2020年)11月20日(金) / 日医ニュース

長きにわたって医学・医療の発展に貢献してきた功労者を顕彰

長きにわたって医学・医療の発展に貢献してきた功労者を顕彰

長きにわたって医学・医療の発展に貢献してきた功労者を顕彰

 日本医師会設立73周年記念式典並びに医学大会が11月1日、日本医師会館大講堂で開催された。
 今年度は昨今の新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、会場への入場者を例年より大幅に絞り、受賞者による記念講演も行わない形での開催となった(被表彰者の一覧は別記事参照)

 当日は来賓として、堀憲郎日本歯科医師会長、山本信夫日本薬剤師会長の他、羽生田俊、自見はな子両参議院議員、日本医師会最高優功賞の受賞者として、横倉義武前会長、石川広己前常任理事等が出席した。

 冒頭、あいさつした中川俊男会長は、国民皆保険の堅持を主軸に、真に国民に求められる医療提供体制の実現に向け、執行部が一丸となって邁進(まいしん)していくことを改めて宣言した他、「世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症に対して、医学的見地に立って情報を迅速に提供し、患者や国民が抱く恐れや不安の解消に努め、政府関係各方面との協力の下、医療従事者が治療に専念できる環境の整備を推進する」と強調。「今後も日本医師会は、全国の医師会員の先頭に立ち、全身全霊で現在の難局に当たっていく」とした。
 来賓あいさつでは、田村憲久厚生労働大臣の祝辞を、福島靖正厚労省医務技監が代読した。
 この日、受賞者達に贈られた各賞について福島医務技監は、「医療の発展、社会福祉の向上に貢献し、特に功績が顕著な方々、医学研究において特筆すべき業績を挙げた方々に贈られるものと承知している。そのような賞の受賞の場は、今後の日本の医学研究や医療の発展、地域医療の充実にとって貴重な機会であり、厚労省としても、こうした熱意ある取り組みや研究をしっかり後押しするためにも、地域医療提供体制が確保されるよう万全を期すとともに、医学研究開発の発展に取り組んでいきたい」と述べた。

201120a2.jpg その後、表彰式に移り、受賞者に対して、中川会長から表彰状と記念品目録が授与された。
 受賞者を代表して謝辞を述べた永井幸夫前仙台市医師会長は、仙台市医副会長を務めていた2009年に発生した新型インフルエンザへの対応に際し、患者は第一線の開業医が診るとする「仙台方式」の構築に奔走したエピソードや、2011年の東日本大震災時には、沿岸部から逃れてきた被災者の避難所を巡回したり、災害対策本部を設置する等の対策を講じたエピソードを紹介。
 新型コロナウイルス感染症については、「アメリカで一日当たりの新規感染者数が10万人に達し、ヨーロッパにおいても再び外出制限が行われている。世界的にも見ても依然として厳しい状況にあるが、今冬、日本においても再び感染拡大が予測される」とした上で、既に多くの医療機関では、重症者の増加と受診・検診控え等の影響により、赤字が拡大し、疲弊した状況にあることを強調。「診療の第一線に立つ医師は、自分自身のみならず、医療機関のスタッフ達への感染も危惧しながらの診療を余儀なくされている」とその窮状を訴えた。
 その一方で、国の場当たり的な対応に医療現場が混乱する中で、日本医師会が日夜必死の対応を進めていることについて「敬意を表する」とし、「今後も、国民のため、会員のために毅然とした対応をとることを期待している」と述べた。
 なお、白寿会員67名、米寿会員958名の慶祝者には、更なる長寿を祈念して、後日、銀杯が贈呈された。

 

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる