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令和2年(2020年)11月30日(月) / 「日医君」だより

第19回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会

 第19回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会が11月27日、日本医師会館会議室でWEB会議により開催された。

 冒頭あいさつした中川俊男会長は、昨今の新型コロナウイルス感染症の感染が拡大傾向にあることに危機感を示し、「決して新型コロナウイルスに慣れることなく、万全な感染防止対策を徹底することが、医療従事者を守り、医療崩壊を防ぐことに通じるのみならず、社会・経済活動の側面からも見ても、一番の経済対策になる」と改めて強調。日本医師会としても引き続き、最大の警戒感をもって取り組みを進めていくとするとともに、都道府県医師会に対して「強い危機感を共有していく中で、共に難局を乗り越えていこう」と呼び掛けた。

 当日の議事は、(1)新型コロナウイルス感染症の直近の状況等、(2)医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業、(3)インフルエンザの流行に備えた新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の取扱い、(4)日本医師会休業補償制度の創設、(5)新型コロナウイルス感染症対応医療従事者支援制度12月募集分の報告、(6)「外来診療をおこなう既存小規模医療機関を対象とする換気及び暖冷房について(第1版)」、(7)その他―についてであった。

 (1)については、釜萢敏常任理事が日本全体で想いを一つに対応しなければならない厳しい状況にあると説明した上で、都道府県知事が感染ステージを宣言する時期が遅れているケースが見られることに懸念を示し、都道府県医師会に対して、知事の判断が遅れることのないよう行政と連携を取ってもらいたいと要望した。

 検査・医療提供体制の整備に関しては、11月10日現在で約2万5000医療機関が診療・検査医療機関の指定を受けていることを報告。都道府県医師会の協力に対して感謝の意を示した。

 ワクチンに関しては、日本における薬事承認はこれまで行われてきた手続きを経て行われることになるとした他、今後の課題として、集団接種を行う際の体制構築を挙げた。

 その他、「請求・支払い事務体制(案)」等についても説明を行うとともに、実際の接種費用に関しては現在、国と交渉中であるとした。

 質疑の中では、北海道医師会が道内の感染状況や病院団体と共に「Go toトラベル」の見直しを求める要望書を北海道知事に提出する予定であることを報告。栃木県医師会は新型コロナワクチンI型について、各自治体が責任を持って管理し、医療機関に配布できるようにすることを提案し、その実現に向けた協力を求めた。その他、広島県医師会からは抗原迅速検査で偽陽性が多く出ていること、兵庫県医師会からは検査の実態や陽性率の正確なデータが把握できていないことへの懸念がそれぞれ示され、その改善が求められた。

 (2)に関しては、補助の対象が感染対策に限られると解釈されている場合もあることから、松本吉郎常任理事が日本医師会から厚生労働省に申し入れを行った結果、日常診療業務にかかる費用も幅広く補助の対象となることが明確になったこと等を、資料を用いて説明し、その活用を求めるとともに、都道府県行政への働き掛けを要請した。

 (3)については、松本常任理事が「診療・検査医療機関として指定される以前より表示していた診療時間を超えた場合には時間外とみなされる」「診療・検査医療機関は、休日加算・深夜加算の算定が可能な医療機関とみなされる」―ことなどを概説。各種検査については、「その組み合わせは医療機関での判断になると思うが、検査キットに関してはしっかり提供されるよう、国に要望している」として、理解を求めた。

 (4)に関しては、今村聡副会長が「日本医師会の会員が開設または管理する医療機関の医療従事者が新型コロナウイルスに感染し、一時的に閉院等した際の休業損害を補償することで、地域の医療提供体制を支援することを目的として創設したものである」とその趣旨を説明。「都道府県ごとに申請期限は異なるが『医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業』の補助金対象にもなり、それを利用すれば、実質負担はゼロになるので、ぜひ、活用をしてもらいたい」と述べた。更に、同副会長は(5)について、11月9日から25日までに申請のあった12月1日開始分の申し込み数(診療所4569、病院515)を紹介。大規模な医療機関の加入が多いこと、感染者が増えている地域の加入が増えていることなどを報告した。

 (6)に関しては、羽鳥裕常任理事が「一般財団法人健康・省エネ住宅を推進する国民会議」がまとめた、適切な換気及び温熱環境の確保に関する報告書の内容を情報提供として説明。診療所の改修などをする際に参考にして欲しいとした。

 最後にあいさつした中川会長は、年末年始に向けて検査体制の維持・強化を国に求めていく意向を示すとともに、感染拡大防止に関する引き続きの協力を求め、協議会は終了となった。

 なお、本協議会については感染症状況も踏まえ、来年も引き続き開催していくこととなった。次回は12月24日に行う予定となっている。

◆映像・資料はメンバーズルーム内よりご覧いただけます。
映像配信 新型コロナウイルス感染症関係

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