政府は昨年12月15日に臨時閣議を開き、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、医療機関の支援等を盛り込んだ令和2年度第3次補正予算案を閣議決定した。
現在開発が進められている新型コロナウイルスワクチンが接種可能となった場合の費用に関しては、厚生労働大臣の指示に基づき国の負担により実施することを踏まえ、全国統一の単価で接種1回目、接種2回目ともに2070円(消費税については、定期接種の予防接種と同様の取り扱い。ワクチン代はワクチンを国が確保し供給するため、含まれていない)とすることが盛り込まれた。
接種費用には、接種実施医療機関における事務費180円(一般的な事務費の他、感染防止対策やV―SYS入力手数料等を勘案)が含まれており、6歳未満の小児に接種が行われる場合には660円を加算することができる。
なお、市町村が接種会場において集団的に接種を実施する場合に必要となる接種費用についても、「医療従事者や誘導のための人員」「接種会場(待合室等を含む)の確保」「接種に要する器具等の確保」等の経費を2070円/回を上限として、国が負担することになっている。
接種費用に関して、日本医師会では中川俊男会長、釜萢敏常任理事を中心に政府与党等に対して、ワクチン接種体制の構築のためには医療従事者や医療機関等の取りまとめ役としての地域医師会の役割が重要になると指摘するとともに、地域医師会には新たな業務負担、人的負担、物的負担が発生するとして、適切な接種費用並びに手数料の設定を強く求めていた。