日医定例記者会見 1月27日・2月3日
今村聡副会長は、昨年に日本医師会が行った、「第6回(2020年)日本医師会員喫煙意識調査」について、結果を報告した。
同調査は、日本医師会の禁煙推進活動の一環として、日本大学と共同で、会員への喫煙意識調査を2000年から4年ごとに実施しているもので、会員の喫煙の現状とその関連要因に関して把握することを目的としている。
6回目となる今回の調査では、加熱式たばこの使用実態と意識について、調査項目に追加した。
実施期間は2020年1~10月で、調査対象は日本医師会員から、男性6000名、女性1500名を無作為に抽出した。入院・死亡等の理由で137名を除外した7363名の内、75・9%に当たる5588名から回答を得た。
男女共に有意に減少
喫煙率の推移を見ると、2000年の第1回調査時、男性医師は27・1%、女性医師は6・8%であったが、回を追うごとに有意に低下し、男性医師で7・1%、女性医師で2・1%まで低下したこと、年齢階級別に見ても、全ての年代で喫煙率が下がっている。
また、喫煙者が使用しているたばこ製品については、特に男性医師においては、若い世代ほど加熱式たばこの使用率が高い傾向はあるものの、全年齢層に加熱式たばこが浸透していることが明らかになった。
この件について、今村副会長は、「加熱式たばこは紙巻きたばこより害が少ないといった認識があるからではないか」と分析。患者から加熱式たばこの使用について質問された時、非喫煙者の7割超、喫煙者も4割以上が使用しない方がいいと返答している理由としては、①加熱式たばこは、長期間の使用についての安全性のエビデンスが明確ではない②健康への悪影響が少ないわけではなく、受動喫煙による健康被害も発生する―ことがあるとした。
更に、喫煙に対する考え方と態度に関して、「医師は立場上喫煙すべきでない」「患者は喫煙すべきでない」という回答が調査のたびに上がっていることを紹介。禁煙指導の成功には、かかりつけ医から専門医の紹介など、しっかりとした役割分担も必要になるとの考えを示した。
また、一般国民の喫煙率も低下している(厚生労働省「国民健康・栄養調査」)ことに触れ、「更なる低下を目指し、引き続き、定期的に同様の調査を実施し、日本医師会として、関係諸団体と連携を図りながら、喫煙防止啓発活動を推進していきたい」とした。
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