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令和3年(2021年)1月29日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症に関する最近の動向について

 中川俊男会長は1月27日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に関して、かかりつけの診療所でも受けられるなど柔軟な体制整備を求めるとともに、2月7日までとされている緊急事態宣言の解除については厳しいとの見方を示した。

 中川会長はまず、1月22日に行った河野太郎ワクチン担当大臣との会談において、全面的な協力を申し出るとともに、自治体と地域の医師会が協議しながら、地域の実情に応じた接種体制を整えていくことが重要であるとの認識で一致したことを報告。

 しかし、厚生労働省は自治体に対して、集団接種を中心とした体制づくりを依頼していることから、「期日と場所が限定され、知らない人と一緒になることで接種意欲が損なわれる可能性がある」として、集団接種と個別接種を適切に組み合わせた柔軟な体制の構築を求めた。

 具体的な接種場所については、自治体が設定した特設会場や病院、診療所など、至る所で接種できる体制が望まれるとし、特に住民へは、普段の健康状態を把握しているかかりつけ医が接種できる体制が重要であることを強調。かかりつけの診療所などでの接種を可能とするため、国に対して財政支援とワクチン供給の確保を要請していくとともに、希望する小規模医療機関にワクチンを小分けして届けられるよう、卸業者等との調整を求めていく姿勢を示した。

 また、接種後に体調の変化を来した場合に備えて待機場所を確保する必要があることから、密にならない待機場所を準備することが地域の医療機関で難しい場合には、駐車場など臨時の接種施設を設営し、自家用車で接種会場へ来てもらい、車中で健康状態の観察の待機をするといったドライブスルー方式も考えられるとした。

 更に中川会長は、2月7日までとされている緊急事態宣言の解除の条件にも言及。今回の措置によって一定の感染拡大防止効果が表れているとする一方、「昨年春の緊急事態宣言時や夏の時期に比べると数倍の感染者数であり、決して気を抜ける状況ではない」として、緊急事態宣言の解除については、都道府県の医療提供体制等の状況の判断に用いる6つの指標(1.病床のひっ迫具合、2.療養者数、3.PCR検査陽性率、4.感染者の新規報告数、5.直近1週間と前の週の感染者数の比較、6.感染経路不明割合)の全てがステージ2の基準になるか、ステージ3ではあるものの、この状況が続けばステージ2になるのが確実となった時点で検討を開始すべきであると主張した。

 この他、四病院団体協議会並びに全国自治体病院協議会との合同で1月20日に「新型コロナウイルス感染症患者受入病床確保対策会議」を立ち上げ、全国的な受け入れ病床の確保と充実に向けた具体的議論を始めたことを紹介。本会見後に開催予定の第2回会議においては、日本医師会より、地域の実情に応じた都道府県医師会及び都道府県病院団体による協議会の立ち上げと、都道府県行政との連携強化を提案するとし、日本医師会災害医療チーム(JMAT)の枠組みを拡大して連携を強化する方針を明らかにした。

 記者との質疑応答では、現状では、日本医師会が考える緊急事態宣言の解除の条件である6指標の全てがステージ2になる見通しは低いとして、7日に解除されることは現実的ではないとの見方を示した。

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