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令和3年(2021年)2月12日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症に関する最近の動向について

 中川俊男会長は2月10日の定例記者会見で、日本国内でも間もなく開始される見込みとなったワクチン接種に関して、日本医師会を始め、全国の医師会が接種事業に全面的に協力していくとの意向を示すとともに、新型コロナウイルス感染症の感染状況について、所見を述べた。

(1)緊急事態宣言について

 3月7日まで延長された10都府県の緊急事態宣言について、感染状況を示す6指標のうち、新規感染者数のステージIVの指標を、東京都の人口で計算すると、新規感染者数が1週間で3,500人、1日平均で500人であることを受けて、ここ数日、宣言解除の前倒しが取り沙汰されていることに懸念を表明。京都大学の西浦博教授らのシミュレーションなども紹介しながら、「新規感染者数が500人を下回った時点で緊急事態宣言を解除してしまうと、4月後半には緊急事態宣言発令前の水準に戻る、いわば『第4波』が襲来することとなり、そうなると3回目の緊急事態宣言の発令が必要になりかねない」として、警鐘を鳴らすとともに、「病床使用率や重症患者数は依然として高いままであることから、日本医師会としては、ここで徹底的に新規感染者を抑えるべきと考えており、緊急事態宣言の解除には、医療提供体制のひっ迫状況が解消されることが不可欠である」と強調した。

 更に、中川会長は「国民に自粛という我慢をお願いし、いろいろな制限に耐えて頂くのは、これで最後にしたい。再び緊急事態宣言を発令するようなことは絶対に避けたい」として、徹底的に新規感染を抑制し、収束への道筋をつけるために、政府に対して、冷静で大局的な判断を求めた。

(2)ワクチン接種体制について

 接種体制については、全国一律に構築していくのではなく、地域の実情に応じ、集団接種と個別接種を柔軟に組み合わせることが必要であるとした上で、「高齢者を始め、基礎疾患のある方には、普段の健康状態をよく知っているかかりつけ医による個別接種が重要である」と強調。各自治体の状況に応じて実施すべきとした自民党合同会議の提言に賛意を示した。

 また、政府には、規制の枠に捉われない柔軟な発想と、徹底した手続きの簡素化を求めた。

 更に、かかりつけ医による接種を行うに当たっては、地域の流通に知悉している、地域の医薬品卸業者の協力が不可欠であるとし、日本医薬品卸売業連合会と連携を強めることで一致したことを改めて報告した。

 加えて、現在、ワクチン接種に関する情報が錯綜しているため、医療機関、かかりつけ医、医薬品卸が混乱している状況にあり、スピーディーな接種体制構築の阻害要因となっていることを憂慮。日本医師会として、各地域の好事例を集約するなど、最新情報をリアルタイムに収集・発信していくとした上で、「厚生労働省には、地域の医療関係者の混乱を解消するためにも、ワクチンの副反応を含め、確保、管理、搬送、取り扱いなど、最大限の情報開示並びに支援をお願いしたい」と述べた。

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