日医定例記者会見 3月10・17日
今村聡副会長は、昨年末から今年にかけて複数の後発医薬品メーカーが起こした不祥事に対する行政処分が続いていることに関して、遺憾の意を示した。
今村副会長は、「後発医薬品について、現場の医師からその効果や質、供給体制、情報提供体制など、さまざまな疑念がある中で、業界においてもそれらの疑念を払拭すべく努めていると考えていたにもかかわらず、今回の不祥事が起きてしまった」と批判。昨年12月に起きた小林化工(株)による爪白癬(せん)の内服薬への睡眠導入剤の成分混入問題については、人の生命と健康を守る薬剤によって、このような生命や健康を脅かす事態を生じさせたことは製薬企業として言語道断だと指摘した。
一方、出荷試験で不適合となった製品を不適切な手法で再試験を行い、適合扱いで出荷し、今年3月3日に行政処分が下された日医工(株)に対しては、「幸い健康被害はなかったものの、後発医薬品メーカーのトップ企業として、コンプライアンスの遵守があまりにもお粗末と言わざるを得ない」とした。
その上で、今村副会長は、2010年3月に大洋薬品工業(株)が薬事法違反による業務停止処分を科された事件にも触れ、「今回のような事件が起きるということは、過去の教訓を生かすことができていないと言わざるを得ない」と強調。後発医薬品メーカーも公的医療を担う重要なステークホルダーであり、その役割の重要性を鑑みれば、一般企業のCSRに比して、より高い倫理観が求められるとともに、「そのことを強く意識して個別企業のみならず、製薬業界全体として活動して欲しい」と要請した。
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