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令和3年(2021年)4月20日(火) / 日医ニュース

盆栽

 広島城の近くに「縮景(しゅっけい)園」という400年前に築成された大名庭園がある。毎年、梅や桃、桜、茶摘み、しょうぶ、月見、菊など、季節に合わせた茶会などのイベントが行われるが、たまたま河津桜を見に訪れた3月に、庭園内で盆栽展が開催されていた。
 日本の伝統文化である盆栽は、今や世界的にも人気のようである。その醍醐味(だいごみ)は、野外で見られる自然の大木の姿を、小さな鉢の中に縮小して優雅に再現していることにある。
 ただし、そのためには、長い時間をかけて幹や枝を針金で矯正し、剪定(せんてい)を繰り返し育て上げなければならない。
 樹齢80年や100年という老木であることに驚いたが、幹の太さは鉢の大きさとのバランスを崩さない程度にとどめ、枝振りや葉の形も毎日微調整を繰り返しているそうである。
 また、厚さ10センチ程度の薄くて小さな鉢の中で、根はどのように育っているのかも不思議である。地上のボリュームに比べ、異常に小さな鉢には違和感を覚え、窮屈そうである。
 しかし、これも盆栽の特徴で、鉢の大きさを考慮し、根でいっぱいにならないように、時々間引く必要があるらしい。当然、根は長くないので、水やりも大変である。
 小さく、また細かく手入れを加える必要のある盆栽を鑑賞していると、国土の小さな日本と重なってきた。持ち前の繊細な技術や気配りできる国民性で、諸外国と比較しても優良な国土や国家を形成している。
 新型コロナウイルス感染症に対しても、日本は多数の死者を出すことなく、いち早く乗り越えていくと信じている。

(グリーン)

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