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令和3年(2021年)4月30日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース

経済財政諮問会議等の議論について

 中川俊男会長は4月28日、記者会見を行い、財政制度等審議会財政制度分科会(4月15日開催)並びに経済財政諮問会議(4月26日開催)で、相次いで社会保障改革に関する議論が行われたことに対する日本医師会の見解を説明した。

 中川会長はまず、経済財政諮問会議の民間議員が提出した資料に「感染者数が欧米より一桁以上少ないにもかかわらず医療は逼迫している」と記されたことに言及。「この表現に医療従事者は大変憤りを感じている。欧米では昨年の第1波の時点で、既に患者さんに優先順位をつけて医療を行っている。G7のほとんどの国の人口100万人当たりの死亡者数は1,000人以上(日本は100人以下)となっている欧米の医療を礼賛するつもりなのか」と述べ、民間議員の考えに疑問を呈した。

 また、経済財政諮問会議が「平時からの構造改革」として、「医療従事者が分散する体制」の見直しを求めていることについては、「地域医療は集約して確保すべき機能から、分散して存在すべき機能まで、さまざまなバランスの中で成り立っている。効率化重視で、一概に集約化・大規模化を目指すべきではない」と強く反論した。

 併せて、「医師・看護師が広く薄く分散する体制に見直すため、一入院当たりの包括払いを原則とする診療報酬への転換」を提案していることについては、「根拠が必ずしも明確でない」と述べるとともに、一入院当たりの包括払いはむしろ再入院の増加や外来での過剰診療など医療にゆがみを生じさせる危険性もあるとして、提案に反対する姿勢を示した。

 一方、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた医療機関の減収分を速やかに補てんするとしていることに関しては、「診療報酬のみならず、補助金も含めて活用するなど、柔軟に対応して頂きたい」とした他、「その際には、後方支援医療機関も含めて、地域を一体となって支えている医療機関への支援も不可欠である」と述べた。

 また、財政審が「前年同月ないし新型コロナ感染拡大前の前々年同月水準の診療報酬を支払う簡便な手法を検討すべき」とし、その対象の条件として「一定程度新型コロナの入院患者を受け入れること」を挙げていることに関しては、受け入れている患者数で差を付けることになるとするとともに、通常医療の医療機関の協力を得られなければ、病床確保の障害にもなると指摘した。

 更に、財政審の資料において診療報酬の1点単価の見直しに触れられていることに対しては、「1点単価を変えることは、公的医療保険制度による国民皆保険の崩壊の第一歩となるものであり、絶対に容認できない」と主張。受診先の医療機関が新型コロナ患者の受け入れに協力し、減収しているという理由で、患者負担の増加を強いられるということになれば、患者間の不公平につながり、国民の理解は得られないとして強く反論した。

 経済財政諮問会議、財政審が、かかりつけ医機能の制度化を求めていることについては、フリーアクセスを阻害するものであり、以前後期高齢者医療制度導入のときに見られたように国民の理解を得られず、混乱を招くおそれがあると指摘。

 更に、民間病院への対応に関しては、医療提供体制のあるべき姿は、「新型コロナウイルス感染症対策における有事の医療」と「平時の医療」の両立であることを改めて説明した上で、「重要なのは、重症・中等症・軽症や後方支援等、あるいは緊急時対応と通常医療との役割分担と連携であり、知事の権限強化によって強制的に患者の受け入れを要請することは、地域の実情を踏まえた柔軟な機能分担をかえって硬直化させかねない」との考えを示した。

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