日医定例記者会見 5月19日
松原謙二副会長は、新型コロナウイルスワクチンの接種体制構築を推進するに当たり、日本医師会と全国知事会との集合契約により、医療機関における個別接種の体制が整いつつあるとし、かかりつけ医の活用を求めた。
変異株が全国的に急速な広がりを見せる中、政府が7月末までに高齢者3600万人に2回の接種を完了する方針を示していることについて、同副会長は、「全国の医師会、医療機関では、自治体と連携しながら地域の実情に応じて、集団接種とかかりつけ医による個別接種を適切に組み合わせた接種体制の構築に全力で取り組んでいる」と強調。
その上で、日本医師会から、都道府県医師会長・郡市区医師会長宛に、各自治体からの接種事業への要請に対して最大限の協力を依頼する文書を、5月18日に改めて発出したことを明らかにするとともに、接種体制の構築において地域で生じている問題や課題を関係省庁と共有するため、近日中にも地域医師会からの報告システムを開始する予定であるとした。
また、自治体が設置する集団接種会場は、その自治体の住民のみを対象としているのに対し、自治体からの委託を受けて医療機関が行う個別接種は、居住地以外での接種が可能であるものの、各自治体と接種機関が複数の契約を交わすことが必要で、手続きが煩雑であったことを説明。契約事務を簡素化するため、全国の医療機関を日本医師会が、自治体を全国知事会が取りまとめて集合契約を結ぶことで、全国の医療機関で接種を受けることができるようになったことを報告し、5月14日現在、全国の診療所、病院、介護保険施設の約5万4000施設が集合契約を締結しているとした。
接種の予約に関しては、「インターネットによる方法は高齢者にとってハードルも高く、コールセンターも電話がなかなかつながらない、予約がすぐに埋まってしまったといった混乱が生じている」と指摘し、アナログにも対応できるよう、情報格差が生じない支援を国に求めた。
更に、同副会長は、「ワクチンが届いて接種できる日を首を長くして待っている。国民が安心して暮らせるように全力を尽くす」と強調。「日頃の健康状態や体調をよく分かっている、かかりつけ医による個別接種は安心できるものである」として、接種に関する疑問はかかりつけ医に相談するよう呼び掛けるとともに、かかりつけ医をもたない人には、自治体の広報誌やホームページ、厚生労働省のコロナワクチンナビなどで確認するか、近くの医療機関に相談するよう促した。
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