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令和3年(2021年)6月5日(土) / 日医ニュース

松原副会長がWMA理事会副議長に再選される

 WMAソウル理事会が新型コロナウイルスの影響によりオンライン会議となり、4月20日から23日にかけて開催された。
 WMA理事である中川俊男会長、松原謙二副会長、橋本省常任理事の他、39加盟各国医師会及び国際機関等から総勢234名が参加した。
 理事会冒頭、クォン・ドクチョル韓国保健福祉相、ディージップ・チョイ韓国医師会長が歓迎のあいさつを行った。
 また、本年4月から2年間を任期とする役員、常設委員会委員長の選出が行われた。
 理事会議長にはドイツ医師会のフランク・ウルリッヒ・モントゴメリー会長、理事会副議長には松原副会長、財務担当役員にはインド医師会のラヴィンドラ・シタラム・ワンケッダカー元会長がそれぞれ再選された。
 理事会に先立ち、財務担当グループとWMA役員会が14日に開催され、松原副会長が副議長として出席した。
 議事では、緊急案件として、「アレクセイ・ナワリヌイ氏の支援に関するWMA理事会決議」「ミャンマーの医療従事者及び国民の支援に関する理事会決議」「COVID―19危機の影響を最も受けた国々を支援するWMA理事会決議」が採択された。
 理事会における主な審議結果は下記のとおりである。

理事会での主な審議結果

(1)緊急決議

「アレクセイ・ナワリヌイ氏の支援に関するWMA理事会決議」
 2021年1月から収監されているロシアの反体制勢力アレクセイ・ナワリヌイ氏は、適切な医療の提供を拒絶されたため、ハンガーストライキを行っているが、強制摂食を強いられている。
 WMAは、ロシア当局に対し、人権義務を尊重し、同氏を人道的に、尊厳をもって扱われるように求める。
「ミャンマーの医療従事者及び国民の支援に関するWMA理事会決議」
 WMAは、医療従事者、国民の恣意(しい)的逮捕や拘留、医師、その他医療従事者や施設に対する攻撃、デモ参加者、人権擁護家、ジャーナリストへの威嚇行為等、現在の警察とミャンマー治安部隊による持続的な行動に警鐘を鳴らしている。
 あらゆる状況において、逮捕された医療従事者を含むデモ参加者の身体的及び心理的完全性を保証するため、即時の行動を求める。
「COVID―19危機の影響を最も受けた国々を支援するWMA理事会決議」
 COVID―19危機の状況下で、医師やその他医療従事者は、医療システムを維持するために大きな課題に直面している。
 WMAは、国際的な協力、連帯、相互支援の重要性を認識し、国際社会と政府に対し、必要に応じ、特に大きな影響を受けている国に対する酸素、医薬品、ワクチン、PPE、その他の機器の支援を緊急に優先することを求める。

(2)医の倫理委員会関係

 新委員長に、ノルウェー医師会のマリット・ヘルマンセン会長が選出された。
 「WMA医の国際倫理綱領」改訂案を基に、パブリックコンサルテーションを実施する。

(3)社会医学委員会関係

 委員長に、ナイジェリア医師会のオサホン・エナブレレ元会長が再選された。
 日本医師会は、「患者の安全に関するWMA声明」の見直し(報告担当者:イギリス医師会)に関する作業への支援を検討する。

(4)財務企画委員会関係

 委員長に、韓国医師会のジュン・ユル・パク副会長が再選された。
 WMAの2020年から2025年の戦略計画について、「医の倫理」「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」「人権と健康」の三つの主要な分野の活動は継続しているが、スタッフの能力開発等の「組織力の向上」はCOVID―19パンデミックのため、保留となっている。
 WMAの地域理事として持ち回りの理事席を求める定款・施行細則の修正について、作業部会を設置して検討する。
 今後の会議開催日程:本年10月11~15日ロンドン総会オンライン会議、2022年4月7~9日パリ理事会(フランス)、10月5~8日ベルリン総会(ドイツ)。

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