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令和3年(2021年)8月5日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

医師の働き方改革について

日本医師会定例記者会見 7月7・14日

医師の働き方改革について

医師の働き方改革について

 松本吉郎常任理事は、医師の働き方改革に関し、(1)厚生労働省の「医師の働き方改革の推進に関する検討会」、(2)医師の働き方改革に関する国の委託事業、(3)「日本医師会のWeb研修システムを用いた医師の働き方改革に関する講習会」の開催―の3点について、それぞれ説明を行った。
 (1)では、7月1日に約半年ぶりに再開され、2024年度の新制度施行に向けて、①医師の働き方改革の地域への影響に関する調査結果の報告②勤務医に対する情報発信に関する作業部会の立ち上げに関する報告③医師労働時間短縮計画作成ガイドライン―の議論があったとして、日本医師会の見解を述べた。
 ①では、10大学26診療科を対象に行った兼業・副業が大学病院に及ぼす影響などに関する調査結果によれば、大学病院から地域医療の派遣を継続していく考えが示されていることを紹介。日本医師会としては、国に対して引き続き対象範囲を広げて調査することを求めていくとした。
 ②では、「医療提供体制の維持と健康確保の両立を適切に発信することは重要であるが、勤務医の一部には医師の働き方改革に対する問題意識をもっていない方もいることからも、適切な情報発信と分かりやすい広報に努めていくことが必要である」と指摘。「作業部会の議論の行方を注視していきたい」と述べるとともに、「日本医師会のWeb研修システムを用いた医師の働き方改革に関する講習会」も情報発信の一つの手段になるとの考えを示した。
 ③では、2023年度末までに義務とされていた労働時間短縮計画の作成が努力義務となったことについて、これまで日本医師会が指摘していた問題点が反映されたものとして評価した上で、誰が見ても分かりやすいガイドラインとなることが重要であると指摘した。
 更に、今後の検討事項に関して、「連続勤務時間や勤務間インターバル・代償休息に関する追加的健康確保措置」「医療機関勤務環境評価センターの運営に関する事項」「C―2水準いわゆる『高度特定技能』に関する事項」などが挙げられていることに関しては、今後発生すると思われる事柄について丁寧な議論を求めた。
 (2)では、医師の働き方改革に関する国の委託事業、①医師の労働時間短縮の取組の分析・評価のための「評価機能」(仮称)の設置準備の委託事業②長時間労働医師への面接指導実施に係る研修の準備に関する事業③医師の働き方改革におけるいわゆるC―2水準の対象技能に関する審査組織の準備事業―の内容を説明した。
 まず、①では、今年度についても本事業を受託することが決定したことを報告し、昨年度の事業内容を踏まえて、「サーベイヤーの選出と講習会の実施から資格の付与までの具体的な整備」「医療機関勤務環境評価センターとして、組織の明確化と評価業務に関する規程等の準備」「全体を一元管理するシステム構築の調査・研究の実施」などをより具体的に展開していくことを明らかにした。
 その上で、医療機関勤務環境評価センターは、医療機関を取り締まるものではなく、支援するものであることを強調。本事業の適切な運営のための委員会、ワーキンググループの設置や事務体制を整えていくとした。
 ②では、追加的健康確保措置に関する面接指導実施医師を養成するための教材の開発事業について、eラーニング専門企業が受託し、実質的には有識者からなる会議を設置し検討することになっていることを説明。日本医師会としても、勤務医の労働時間の短縮や健康確保策の推進に非常に重要なことと捉え、本事業の中核メンバーとして関わっていくとの考えを示した。
 ③では、C―2水準は「特定高度技能」を担う医師の基準であり、「特定高度技能」は先進医療など極めて高度な技術の他、地域に求められる医療水準と継続性のためにも、より幅広く柔軟に技術を定めていくことが必要であると指摘。引き続き、受託先と連携して進めていくとした。
 (3)では、7月4日に認定産業医826人参加の下にWEB方式で開催し、各役員から働き方改革の現状について説明したことを紹介(別記事参照)。医師の働き方改革に理解を深めてもらえるよう、引き続き講習会等を積極的に開催していく考えを示した。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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