第26回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会が8月27日、日本医師会館でWEB会議により開催された。
冒頭あいさつした中川俊男会長は、まず、同日対象区域が追加された緊急事態宣言について、「今日の感染状況に鑑みると、全国一律の宣言の発令が必要ではないか」と改めて指摘。デルタ株による新型コロナウイルスの感染急拡大により救急搬送困難事例も増加している中、日本医師会では、地域の感染状況や医療資源に応じた自宅療養と宿泊療養の適切な組み合わせを重要視しているとした上で、宿泊療養は医療資源の有効活用などで特に効率的であることや酸素ステーション・入院待機ステーション整備の必要性を説明した。
中川会長は、関連して、「日本医師会として日本経済団体連合会(経団連)に、全国の企業の研修施設や保養所等を宿泊療養施設や臨時の医療施設として提供して頂けないかとお願いした」と述べ、経団連との連携を進めていくことを明らかにした。
また、具体的な施設の活用については、地域の実情に応じて都道府県行政との協議が必要になるとともに、人材の確保は病院団体・日本看護協会等に協力を依頼していることや、費用、機材については国に要請していることを合わせて説明した。
中川会長は、最後に、「日本医師会は、新型コロナ医療と通常の医療を両立させなければならないと繰り返し申し上げてきた。この災害級とも言われる非常事態を乗り切るためには、全ての医療機関が一致団結して立ち向かうことが不可欠」と述べ、本日より全国の会員に直接書簡を送り、新型コロナウイルス感染症の爆発的拡大に対するより一層の協力を要請したことを説明。全国の医師会にも引き続きの協力を求めた。
当日の議事は、(1)新型コロナウイルス感染症の直近の状況等、(2)第8回新型コロナウイルス感染症患者受入病床確保対策会議(8/25開催)(報告)、(3)「新型コロナウイルス感染症 自宅療養を支援する取り組み事例に関するアンケート」(お礼及び報告)、(4)新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱い、(5)その他―についてであった。
(1)では、釜萢敏常任理事が緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の対象区域追加や全国の医療提供体制等の状況について、(2)では、猪口雄二副会長が同対策会議の議論の内容について報告を行った。
その後の質疑応答では、医師を派遣する際の補助金に係る条件の明確化や発熱患者の診療への補助を求める意見が出された他、重症者の治療において使用される鎮静剤などの医薬品の供給状況について懸念が示された。
(3)では、同アンケートについて、釜萢常任理事が各都道府県医師会の協力に感謝の意を述べるとともに、結果の概要を報告。引き続き事例の収集を続けていることを説明するとともに、好事例についてはぜひ参考にして横展開してほしいと述べた。
(4)では、松本吉郎常任理事が、感染が急速に拡大している間の措置として前日の中医協(持ち回り開催)で了承された、1.入院加療を実施している患者の診療に係る評価を、3倍から4倍に引き上げる、2.呼吸不全管理を要する患者(中等症II)以上の診療に係る評価を、5倍から6倍に引き上げる―対応などを中心に、今般の診療報酬上の臨時的な取り扱いについて説明した。
その他、各都道府県医師会からの質疑応答では、「ロナプリーブ」の供給状況についての質問や、学校等での感染対策について多数の質問が出された。
総括を行った中川会長は、改めて経団連との会談の内容に触れ、産業界並びに経済界として、施設提供に関する前向きな検討が行われていると説明した上で、都道府県医師会に対し、「地域の実情に応じてご活用頂きたい」と述べた。
次回は、9月24日に開催される予定となっている。
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