閉じる

令和3年(2021年)10月20日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

令和3年度有床診療所委員会中間答申まとまる

日本医師会定例記者会見 10月6日

令和3年度有床診療所委員会中間答申まとまる

令和3年度有床診療所委員会中間答申まとまる

 神村裕子常任理事は令和3年度有床診療所委員会が取りまとめ、9月22日に齋藤義郎委員長(徳島県医師会長)からオンラインで中川俊男会長に提出された(写真)中間答申の内容を説明した。
 中間答申は、(1)はじめに、(2)令和4年度診療報酬改定に対する要望―で構成されている。
 その中では、有床診療所は新型コロナウイルス感染症への対応に関して、病院や介護施設が受け入れられないような、生活面で特にケアが必要な患者の引き受け、ワクチン接種、発熱外来などにおいて、大きく寄与する可能性があると指摘。有床診療所が本来の機能を果たし、活用されやすくするために必要な対コロナ施策を強く求めている。
 また、平時における有床診療所は、入院収入が入院経費を下回る、いわゆる「持ち出し」の状態が続いているとして、以下の10事項〔①有床診療所回復期病床の新設②入院基本料の点数の引き上げ③救急・在宅等支援療養病床初期加算の名称変更と点数・日数の引き上げ④有床診療所入院基本料の逓減(ていげん)率の緩和ないしは廃止⑤夜間緊急体制確保加算の点数の引き上げ⑥医師事務作業補助体制加算の算定要件見直しと点数の引き上げ⑦入院中の患者の他医療機関への受診についての取り扱い(減算)の見直し⑧転入院連携加算(仮称)の新設⑨診療情報提供料の要件の見直し⑩食事療養費の引き上げ〕の実現を要望。有床診療所が医療法で規定するとおり、「その提供する医療の内容に応じ、患者が住み慣れた地域で日常生活を営むことができる」役割を果たせるようになることを強く願うとしている。
 同常任理事は、有床診療所の現状について、「入院部門が持ち出し・赤字となる構造である中で、有床診療所が存続していることは、その先生方が地域医療を守りたいという強い志と矜恃(きょうじ)・プライドを持って頑張って頂いていることの何よりの証しである」と強調。その上で、有床診療所を運営する現場の先生方の意見を踏まえて、有床診療所がコロナ対策において活躍できるための施策の検討を求めるとともに、平時の対応としての10の要望について、その実現を求めた。
 なお、本委員会では、引き続き答申取りまとめに向けて、中川会長からの諮問「地域医療提供体制を支える有床診療所のあり方」について検討を続けていくことになっている。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる