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令和3年(2021年)10月7日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

岸田新内閣発足に当たって

 10月4日に岸田新内閣が発足したことを受け、中川俊男会長は10月6日の定例記者会見で、所感とともに各閣僚へのメッセージを述べ、新型コロナウイルス感染症対策や社会保障の充実に期待感を示した。

 中川会長は、岸田文雄内閣総理大臣が4日の就任会見で、医師、看護師、介護士等、社会の基盤を支える現場で働く人々の所得向上に向け、公的価格のあり方の抜本的見直しを行うと明言したことに対し、「日本医師会の考える方向性と同じであり、社会保障の充実によって国民の安心を取り戻すことで経済の好循環が実現するよう、協力していきたい」と強調。また、コロナ対策として掲げられていた「岸田4本柱」(1.医療難民ゼロ、2.ステイホーム可能な経済対策、3.電子的ワクチン接種証明の活用と検査の無料化・拡充、4.感染症有事対応の抜本的強化)についても全力で協力するとした。

 その上で、岸田総理が、2006年に衆議院厚生労働委員長、2017年に自民党政務調査会長、「人生100年時代戦略本部」の本部長を務めるなど、社会保障政策に造詣が深いことから、引き続き医療界への力添えを要望した。

 後藤茂之厚生労働大臣に対しては、「衆議院厚生労働委員長を務められ、厚生労働行政に精通されているだけでなく、税制にも造詣が深く、かねてお世話になっている」と述べ、「厚労大臣として、医療の安全・安心をしっかり守っていただけるものと大変心強く思っている」と期待を寄せた。

 堀内詔子ワクチン接種推進担当大臣に対しては、厚労大臣政務官や自民党厚生関係団体委員長を務めるなど、厚生関係でさまざまな貢献をされていることに触れ、「喫緊の課題である、医療従事者への3回目のワクチン接種を円滑に行って頂けることを期待している」と述べた。

 山際大志郎経済再生担当大臣に対しては、「獣医師でもあり、生命科学に造詣が深いと伺っている。新型コロナ対策・健康危機管理、全世代型社会保障改革も担当されるが、新型コロナウイルス感染症は依然として予断を許さない状況にあり、我々医師会も全力で対応に当たる」として、一刻も早い収束に向けて協力する意向を示した。

 鈴木俊一財務大臣に対しては、「自民党社会保障制度調査会長、衆議院厚生労働委員長、厚生政務次官などを歴任され、私も緊密に意見交換をさせて頂いてきた。2007年には、『国民医療を守る全国大会』における国会議員代表としての挨拶で、『国民本位の国民皆保険、フリーアクセスを維持できるよう頑張っていきたい』とのお言葉を頂いた」と紹介。社会保障においてバランスのとれた負担と給付が成り立つよう、建設的な協議をしていきたいとの考えを示した。

 野田聖子内閣府特命担当大臣に対しては、「少子化や子ども政策を担当されるが、本会とも関係の深い自見はなこ参議院議員は、あらゆる家庭で子どもを安心して産み育てられる社会の実現のため、『こども庁』の創設に向けて取り組んでおり、少子化対策は、こうした取り組みと一体不可分であり、大いに期待している」と強調した。

 牧島かれんデジタル大臣に対しては、「9月に発足したデジタル庁において、社会全体のデジタル・トランスフォーメーションに取り組まれ、これから、デジタル庁で、G-MIS(医療機関等情報支援システム)、医師等国家資格のオンライン申請、死因究明における電子化などが行われる予定と聞いている」と述べ、厚労省と連携して進めることを求めた。

 最後に中川会長は、「10月31日には衆議院選挙、その後には予算編成と診療報酬改定が行われる。日本医師会は新型コロナウイルス感染症対策と一般医療の両立に全力を挙げて取り組んでいくが、新内閣においても必要な支援を引き続き躊躇なく行っていただきたい」と要請。記者との質疑応答の中では、医療費の伸びが抑えられた現状において、医療機関の経営の安定や医療従事者等の待遇改善が、医療の安全、質の担保のためにも重要であると主張した。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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