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令和3年(2021年)11月29日(月) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症の現況について

 中川俊男会長は11月24日の定例記者会見で、(1)基本的対処方針の改訂、(2)全国知事会からの緊急提言、(3)ワクチン接種―などについて、日本医師会の見解を示した。

 中川会長はまず、国内の感染状況に関して、昨夏以降で最も低い水準の小康状態が続いているとする一方で、感染対策と経済活動の両立に向けて先行して動き始めている欧州では、爆発的に感染が再拡大している国において、ロックダウンの再導入などの動きが広がっていることに言及。引き続き注意が必要だとの考えを示した。

 基本的対処方針の改訂に関しては、医療のひっ迫が見込まれる場合は国の責任でコロナ以外の通常医療を制限し緊急の病床を確保するとしていることに対し、通常医療の制限を前提に進めることがないよう日本医師会として引き続き、国に求めていくとした。

 また、「新たなレベル分類」について、これまでの新規感染者数から医療のひっ迫状況を重視すると変更されていることには、「新規感染者の急増は重症者数の増加に直結する上、後遺症の問題もある。新規感染者数は、その後の重症者数や医療ひっ迫の早期察知のバロメーターになることに鑑みて、引き続き注視していく必要がある」と述べた。

 更に、ワクチン・検査パッケージ制度によって、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の下でも大規模イベントの参加者を収容定員まで認めるとすることについては、イベント後の参加者、出演者等の感染状況を把握、検証を行い、フォローアップする仕組みを取り入れることを提案するとともに、ブレークスルー感染や抗原定性検査の感度の問題など、ワクチンと検査の限界を指摘。「ワクチン・検査パッケージ制度は、感染リスクを低減させることにより、行動制限の緩和を可能とするものであり、感染拡大そのものを抑制するものではないことの理解を十分に得て運用すべきである」と主張した。

 次に、11月21日に全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部が取りまとめた「第6波への備えと日常生活の回復に向けた緊急提言」を紹介。現場を知る地方と十分に協議を行った上で実効性のある感染対策を早期に具体化するとともに、社会経済活動の維持と再生に向け、新たな経済対策にスピード感をもって取り組むとする政府への要請内容は、日本医師会とほぼ同一の方向性の考えであるとするとともに、12月2日に全国知事会と今年2回目の意見交換会を開催することを明らかとし、「その場でも、本提言について具体的な議論を行いたい」と述べた。

 更に、12月1日から始まる予定の3回目のワクチン接種に関しては、18歳以上で2回目接種から原則8カ月以上経過した方を対象とすることを原則とし、6カ月経過で接種できるのは、あくまでも例外的取り扱いとすべきと指摘。国にはそのことを分かりやすく伝えるとともに、迅速かつ正確で分かりやすい配送計画の情報提供を行うことを求めた。

 最後に中川会長は、「新型コロナを完全に排除することは難しく、徹底した感染対策を講じて、一歩でも日常生活を取り戻すことが現時点での最良の選択である」と述べ、感染防止対策を継続する必要性を訴えるとともに、これからも全力で新型コロナ対策を進めていく姿勢を示した。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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