中川俊男会長は12月15日の定例記者会見で、国内外のオミクロン株の感染状況やワクチンの追加接種について説明を行った。
中川会長はまず、国内の新規感染者数について全国的に低い水準を維持し、新規陽性者数が連日確認されない地域もあるが、オミクロン株については、12月14日時点で海外滞在歴のある17人が確認され、世界では77の国と地域で感染が確認されていることを報告。また、英国保健省やWHOは感染拡大のペースはデルタ株を上回ると分析し、仮に重症化率は低くても、感染者数が増加すれば医療を逼迫させることになると警鐘を鳴らしていることを紹介した。その上で、「これまでの他の株の免疫獲得、治療薬やワクチンの普及などの状況から、これまでの株とデータをそのまま比較して、現時点ではオミクロン株の評価をすることはできない」とし、更なる検証と慎重な判断が必要との考えを示した。
ワクチン接種については、「2回接種並びに3回目の追加接種をした人でもオミクロン株の感染報告はあるが、ワクチンの効果がないということではない」と強調した。更に、「3回目の追加接種によってデルタ株に対するのと同等の効果、特に重症化予防効果が期待されるデータが示され始めている」とした上で、現時点の主流はデルタ株であり、ワクチン接種から一定の時間が経過したことにより、世界各地でデルタ株の感染が再拡大していることを踏まえ、日本でもなるべく早く追加接種する必要性があると訴えた。
また、12月1日に堀内詔子ワクチン接種推進担当大臣と意見交換を行い、追加接種のワクチンが確保でき、接種体制が整った自治体は、2回目接種から6カ月でも柔軟に前倒し接種ができるよう要請したことや、12月2日には全国知事会と意見交換を行い、柔軟に前倒し接種を行う必要があるという認識で一致したこと、更に、12月6日には岸田文雄内閣総理大臣が所信表明演説で、8カ月以上開けるとしていた原則を「できる限り前倒しする」と表明したことを報告。その一方で、8カ月間隔を前提に準備をしていたことから、全国一斉の前倒しには接種体制の見直しやワクチンの確保などの課題があると指摘。国に対しては、「追加接種が全国で円滑に進むよう、ワクチンの供給と柔軟な対応をする上での具体的な手順を早急に全国の自治体に示すよう求める」とともに、全国の医師会でも追加接種の準備を始めているが、自治体から具体的なスケジュールが示されていないことから、ワクチンの供給予定日が把握できない状況であるとし、速やかな実施スケジュールの提示を求めた。
その上で中川会長は、「現在オミクロン株の日本国内で市中感染は認められていないが、引き続き、マスクの着用、手洗いや手指の消毒、密を避ける、換気を行うなど、これまでの感染対策をしっかり続けることが大切」として、引き続きの注意を呼び掛けた。
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