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令和3年(2021年)12月24日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症の現況について

 中川俊男会長は12月22日の定例記者会見で、国内、海外の感染症状を説明するとともにワクチンの追加接種等に対する日本医師会の見解を示した。

 中川会長はまず、国内の感染状況に関して、新規感染者数は引き続き低い水準となっている一方で、各地で散発的なクラスターが発生しているとし、このことはこれらの地域において、確認できていない潜在的な感染の可能性を示唆しているとして、注意を呼び掛けた。

 海外の状況については、イギリスで12月21日の1日当たりの新規感染者が90,629人、7日間移動平均合計が615,707人で1週間前との比較では63%増加し、オミクロン株の新規感染者も15,363人で累計60,508人となっていること、また、ロンドンでは、オミクロン株の割合が12月18日には83%を超え、医療機関の逼迫を防ぐため、安全保障や公衆衛生上の深刻な事態の恐れがある場合に出される「重大事態」を宣言していることなどを、イギリスで家庭医として診療に従事されている澤憲明先生からの情報を基に報告。更に、12月16日の英国インペリアルカレッジロンドンのレポートでは、感染者数が2倍になるまでに掛かる日数(倍加時間)は2日であり、コロナ罹患者が再びオミクロン株に再感染するリスクがデルタ株の5.4倍と推定していることなどを紹介した。

 また、フランスの状況については、奥田七峰子駐フランス日医総研研究員からの情報提供を踏まえ、12月6日のフランス政府の記者会見では、国内のオミクロン株の感染者が市中感染4人を含め合計25人確認されたとし、フランス全土の1日の新規感染者数は5万人を超え、人口10万人当たりの陽性者数は400人を超えていること、特に6歳から11歳では10万人当たり950人となっており、子ども達が学校でうつしあっている状況にあることの他、ワクチン未接種者が600万人と言われ、重症者病床に入院中の患者の8割がワクチン未接種であること、更に、12月17日には、連日、新規感染者が5万人を確認し、来年初頭にはオミクロン株が大半を占める可能性があることを踏まえ、「オミクロン株の感染力は高いが重症化リスクは低いとされるものの、不明な点が多い現時点では、重々警戒して臨むべきだ」と述べていることなどを報告した。

 その上で、中川会長は、「これらの海外の状況を踏まえれば、わが国においても同様の事が起こり得ると考えなければならない。引き続き警戒感をもって行動することが大切である」と訴えた。

 ワクチンの追加接種については、準備が整い次第、8カ月以上の間隔を柔軟に前倒しできるよう国に要請し、岸田文雄内閣総理大臣も12月17日には、モデルナ社のワクチンを活用し、医療従事者等や重症化リスクの高い高齢者施設の入所者及び従事者、病院、有床診の入院患者などの接種間隔を6カ月に短縮すること、それ以外の高齢者は、来年2月以降に接種間隔を7カ月に短縮することを決定したことを紹介。迅速なご決断を評価するとともに感謝するとした他、日本医師会としても全国知事会と共に、追加接種に全力で取り組んでいく意向を示した。

 最後に中川会長は、年末年始を迎えるに当たり、改めて、マスクの着用、手洗いや手指の消毒、密になる場面を避ける、換気をしっかり行うなどの、これまでの感染対策の継続とともに、飲食の場面では、できる限り少人数で大騒ぎせず、長時間を避けることも大切であることを訴え、協力を求めた。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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