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令和4年(2022年)1月20日(木) / 日医ニュース

びんずる(賓頭盧)さん

 コロナ禍、疫病退散の御利益があるということで、肥後国海上に出現したとされる日本の妖怪「アマビエ」が有名になりました。しかし、酒好きの私にとっては病気平癒といえば「びんずるさん」を思い浮かべます。
 「びんずるさん」はお釈迦様の弟子、十六羅漢の一人です。上流階級の生まれですが、出家してブッダの弟子になりました。仏弟子(ぶつでし)の中では記憶力と弁舌はナンバーワンの人でした。また、お布施の袋をいつも「頭陀袋(ずだぶくろ)」に満杯にして帰る人気者でした。
 しかし、「びんずるさん」は無類の酒好きという欠点がありました。つまり酔っ払いです。それがもとでお釈迦様に叱られ、ついに破門され、今でもお堂の中に入れてもらえず、本堂の外に鎮座することとなりました。
 仏教が日本に伝わると、「酒は百薬の長」というところから人気を博します。「びんずるさん」の体を撫(な)でれば(自分の身体の悪いところと同じ場所を撫でる)病気が治るという「撫で仏」として祀(まつ)られています。
 少し感染が落ち着き、行動制限が緩和されたら、コロナの平癒と腰痛改善を願ってお参りにでも出掛けようと、お酒を飲みながら思うこの頃です。

(禿)

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