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令和4年(2022年)2月20日(日) / 「日医君」だより / 日医ニュース

両団体がコロナ対応に協力して取り組んでいくことを確認

両団体がコロナ対応に協力して取り組んでいくことを確認

両団体がコロナ対応に協力して取り組んでいくことを確認

 今年度3回目となる「新型コロナウイルス感染症等に関する全国知事会と日本医師会との意見交換会」が1月20日、WEB会議により開催された。
 冒頭のあいさつで平井伸治全国知事会長(鳥取県知事/新型コロナウイルス緊急対策本部長)は、日本医師会の新型コロナウイルス感染症に対する活動に感謝の意を示した上で、オミクロン株の急速な感染拡大に強い危機感を表明。患者数が急上昇する中、自宅療養の確保及び重症に至らないようにするための軽症者のケアをしっかりとできる体制の必要性を強調し、「各地域の医師会と都道府県が協力しながら体制をつくり、実行していくことが大切だ」と述べた他、3回目のワクチン接種について、可及的速やかに進むよう、日本医師会に後押しと協力を求めた。
 中川俊男会長は、全国知事会の日頃の活動に敬意を表した上で、オミクロン株について言及。「日本医師会では、オミクロン株の流行によって、"コロナ対応は、高齢者や基礎疾患のある方などリスクの高いグループに配慮しつつ、経済の再活性化と感染拡大防止の両立を本格的に目指す段階に入った"と捉えている」と述べた。
 更に、そのための重要な点として、多数の軽症者に対する医療提供体制を整備することを挙げるとともに、「後藤茂之厚生労働大臣から協力要請があり、日本医師会も自宅療養における健康観察・診療医療機関の増加等の取り組みに全面的に協力している。発熱外来で受け止めた陽性患者に、そのまま健康観察や治療をしていくことで、重症化を防止し、かつ、保健所の負担軽減につなげていきたい」と説明した。
 また、大都市圏などの都道府県医師会を対象に、自宅療養・宿泊療養に関するヒアリングを重ねてきたことを紹介。「健康観察・診療医療機関が1カ月程で約4000施設増加するなど、スピード感を持って増えているのは、医師会と行政の努力の賜物(たまもの)」とした他、「どの医師会にも共通するのは、行政との間でしっかりと議論を行い、各地の実情に応じた体制を構築している点である」との見方を示した。
 その上で、中川会長は「新型コロナには都道府県行政と都道府県医師会が"車の両輪"となって立ち向かう必要があり、そのためにも全国知事会と日本医師会との強固な連携が不可欠」として、引き続きの協力を求めた。

意見交換

 意見交換では、まず、内堀雅雄福島県知事(同本部長代行/同副本部長/社会保障常任委員会委員長)が、1月12日に全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部が、(1)感染拡大防止等、(2)ワクチン接種の円滑な実施、(3)保健・医療体制の強化、(4)事業者支援及び雇用対策の観点から取りまとめた「全国的な感染急拡大を受けた緊急提言」の概要について説明。「より多くの医療機関に在宅医療に携わって頂けるよう、引き続き日本医師会の理解と協力をお願いしたい」と述べた。
 濵田省司高知県知事(全国知事会ワクチンチームリーダー)は、同提言の中で特に共有したい項目として、3回目接種の前倒しに向けた取り組みや12歳未満の子どもへの接種のあり方を挙げ、日本医師会に、3回目接種の打ち手の確保及び医療従事者の接種を速やかに進めることを要請した。
 杉本達治福井県知事(全国知事会幹事長)は、"ラスト1メートルでの感染対策"が重要であるとして、会話時のマスク着用を日本医師会と共に国民に呼び掛けていきたいとした他、第6波後のウィズコロナ時代も念頭に置いた、患者の重症化を回避し、医療逼迫(ひっぱく)を起こさない治療体制やシステムの構築に向け、日本医師会と協力していきたいとした。
 今村聡副会長は、実際に発熱外来を行っている立場から、検査キットやパルスオキシメーターの不足解消のために都道府県の協力を要請するとともに、ワクチン接種後の費用の申請などについて、その複雑さなどで現場の意欲を削ぐようなことにならないよう、手続き面での改善も求めた。
 釜萢敏常任理事は、ワクチン接種の推進について、「交互接種の情報が適切に国民に伝わっていない」と指摘。今後、更に正しい情報を伝えていくことの重要性を強調した。
 松本吉郎常任理事は、現在、令和4年度診療報酬改定に向け、病院や診療所で更に感染予防対策を取った上で、受診してもらえるような体制を強固にするための検討が進められていることなどを紹介。また、特に小児科や耳鼻咽喉科の受診控えが、オミクロン株の流行によって更に悪化している現状も説明した。

モデルナ社製ワクチンへの理解進める―中川会長

 最後に総括を行った中川会長は、「(今日の会議で)自宅療養の健康観察・診療医療機関の整備が本当に重要だということが共有できたと思う」とするとともに、3回目のワクチン接種について、モデルナ社製ワクチンに関する国民の理解が進むよう、啓発や広報活動に取り組んでいく意向を示した。
 これに対して、平井全国知事会長は、「軽症患者のケアやワクチン接種についてお互いの理解が深まったと考えている。ぜひ(両団体が)協同して脅威を乗り越えていきたい」と述べるなど、引き続き両団体が協力していく方向性が改めて確認された。

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