中川俊男会長は2月1日、後藤茂之厚生労働大臣の依頼に応じてWEB会談を行い、抗原定性検査キットの診療・検査医療機関への最優先配分の重要性などを訴えた。
冒頭、後藤厚労大臣は、オミクロン株による感染が急拡大し、1日当たりの新規陽性者数は全国で8万人を超えた状況において、国民の命と健康を守るため、(1)発熱外来の拡充、(2)ワクチン3回目接種の前倒し、(3)早期退院する患者の受け入れの促進―への対応が急務であることを強調。
(1)では、症状があっても検査や診療の予約が取りづらい、予約が取れても翌日になってしまう状況であるとし、現在約35,000機関の発熱外来が更に拡充されるよう、日本医師会が呼び掛けていくことを要請。
(2)では、自治体に対して、高齢者への3回目接種を早期完了し、一般の方についても6か月経過した後、順次接種し、前倒しも要請していることを説明した上で、接種側に向けた協力を求めた。
(3)では、重点医療機関以外の医療機関においても、早期に退院する患者や療養解除後の患者を受け入れていくことを求めるとともに、高齢者施設の感染管理や診療のため、医師を派遣することなどを要望した。
中川会長は、これらに協力していく姿勢を示す一方、現在全国的に不足が叫ばれている抗原定性検査キットの診療・検査医療機関への最優先配分が必要であることを指摘。検査キットやワクチンの供給がなされれば、現場の医療機関は十分に遂行できるとした。
また、医療従事者の濃厚接触者の取り扱いにおいて、「最終暴露日から4日目、5日目の抗原定性検査で陰性だった場合、5日目から解除」することとされたが、PCR検査や抗原定量検査での解除が盛り込まれなかったことを指摘し、抗原定性検査キットが十分確保できない場合もあることから、医療従事者が安心して業務に従事するために再考を求めた。
これに対して、後藤厚労大臣は、抗原定性検査キットが一般薬局からの大量発注によって品薄となったことから、医療機関や自治体等へ優先配分する方針を明確にしたことや、ワクチンの追加購入の予定を報告するなど理解を求めた。
この他、ワクチン3回目接種を進めるためには、交互接種への正しい理解が重要であるとの認識が共有され、後藤厚労大臣は「政府も、リーフレットやテレビCMを作ったりしているが、地域のお医者さんの言葉は非常に影響力が大きいので、協力頂きたい。今後も連携しながら乗り切っていきたい」と総括。中川会長も、「厚生労働省と強力なタッグを組んで、この非常事態に対応していく」と応じた。
問い合わせ先
日本医師会健康医療第2課、地域医療課 TEL:03-3946-2121(代)