COVID―19の流行により、デジタル化が進んだと感じた方も多いと思う。
実際、保健所への感染者の届出を、厚生労働省開発の新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER―SYS:Health Center Real-time Information-sharing System on COVID-19)で行うことができる。使い勝手はともかく、デジタル化された。
COVID―19ワクチンについても、ワクチン接種後にタブレット端末を使用してワクチン接種記録システム(VRS: Vaccination Record System)で記録を国で集めている。MY HER―SYSの使用で感染者は自身の状態を入力できる。
多くの感染者は携帯電話を持っており、保健所からSMSでURLとHER―SYSのIDが送付され、診察医も情報を共有でき、症状等々の情報入力ができる。今後は、VRSにて全てのワクチン記録を国が把握できるようになるため、COVID―19以外の注意すべき感染症の把握も可能になると思う。
COVID―19オミクロン株の流行によって、世間全般で爆発的に抗原検査キットやPCR検査が利用され、医療機関への抗原検査キットの配分不足も起こる中、一般診療業務やワクチン接種を含むCOVID―19関連業務で忙しい医療機関においては、かなりの負荷が掛かっていた。
本来、デジタル化による負荷軽減を期待したいところであるが、このデジタル化過渡期では、COVID―19情報という津波もあり、医療現場は混乱・混迷に陥ったところがある。
こんな時に頭に浮かぶのが、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)である。今年の4月からは、オンライン診療における初診も保険診療扱いが認められ、医療現場では、今後の体制を再考する必要を感じることになると思う。
デジタル化が良い方向に向かうことを願いたい。
(S.M)