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令和4年(2022年)7月27日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症の感染状況を受けて

 松本吉郎会長は7月27日、記者会見を行い、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、全国の都道府県医師会、郡市区医師会、そして医師会員の先生方に、現在までのご尽力に謝意を申し上げるとともに、必要な対応等に関する日本医師会の考えを説明した。

 松本会長は医療現場の状況について、「搬送受入調整本部、保健所も含め、現場は懸命に努力をしているが、今回の新規感染者数の増加はあまりにも急激で、非常に困難な状況に置かれている」と指摘。政府及び都道府県等の行政に対しては、各診療現場で検査試薬や検体採取材料、検査キット等の不足が起こることがないような施策の強化とともに、マンパワーが限られるクリニックでは負担が大きいとして、ハーシスの入力の一層の簡素化を求めた。

 また、感染者数が増加すれば、相対的に入院が必要な方も増え、コロナ以外の患者も含む救急医療に大きな支障が出ることを、総務省消防庁による「各消防本部からの救急搬送困難事案に係る状況調査」の結果(7月18日から24日までの搬送困難事案は6,035件であり、前週に比べて46%増、コロナ前の2019年の同時期に比べると591%増となっている)を基に説明。屋内などで人と話す際などにはマスクをつけるなど、基本的な感染防止対策が重要になるとした。

 現在のオミクロン株への対応については、「発熱外来診療体制の更なる強化が不可欠であるが、各地域医師会のリーダーシップと現場の努力により、発熱外来診療体制は既に、診療・検査医療機関が約3.9万施設、また、地域医師会等の運営による地域外来・検査センターは457施設に達している」として、感謝の意を示す一方で、過去にない感染拡大には、オールジャパンで対応しなければならないという観点から、7月27日付で都道府県・郡市区医師会宛に文書を発出したことを報告。

 構造上等の理由や、がんや人工透析等の重症化リスクを抱える患者を感染から守るため、診療・検査医療機関の指定を受けられない医師会員には、例えば地域医師会等による地域・外来検査センターや拠点的な病院の発熱外来に交代制で出務してもらうとともに、かかりつけ患者のみを対象としている診療・検査医療機関には、広く地域の発熱患者を診てもらうことを求めたことを明らかにし、「日本医師会は、今後も、政府に対してさまざまな支援措置を要望し、現場を支えて参りますので、感染が収束するまで医療現場の皆さんにはもう一息がんばって頂くよう、心からお願いいたします」と述べ、引き続きの協力を求めた。

 その他、松本会長は、7月22日、岸田文雄内閣総理大臣と急遽会談し、発熱外来の混乱を回避するため、希望者に検査キットを配付し、自主検査をしてもらう態勢を構築することへの協力を求められたことにも言及。診療・検査医療機関にて抗原定性検査キットを有症状者に配付することについては、現場に混乱を生じさせず、感染拡大を起こさないよう、効率よく行う必要があり、各都道府県医師会と都道府県行政とが協議し、それぞれの地域の実情に合った仕組みを早急に築かなければならないと強調。日本医師会としても、全国知事会に対して7月28日に行う意見交換会の中で、都道府県医師会と行政との連携の更なる強化と、検査キットの配付が適切に行われるよう、協力を求める考えを示した。

nn0859b.jpg 会見に同席した釜萢敏常任理事は、新型コロナウイルス感染症への対応について、地域の実情に応じた対応が必要であることが大前提とした上で、全国から日本医師会に寄せられた情報を基に、外来に関しては、受診希望者の急増により受け入れ困難状況が多発している、入院については、一部の地域で病床使用率が大きく上昇しているが、まだ重症者の入院が急増してはいないとの現状認識を明らかにした。

 その上で、喫緊の課題である外来で受診を希望する方達への対応の改善に向けた方策として、(1)行政と連携し地域にトリアージ機能をもつ電話相談センター等の仕組みの構築、(2)地域外来・検査センターへの出務、(3)自宅療養者へのフォローアップ、(4)高齢者施設等と協力医療機関との連携―の4点を明示。会員の理解と協力の下に地域の医師会が主体的な役割を果たし、その方策を実現することに期待感を示した。

 (1)については、「電話がつながるようにする」「相談者のうち受診がぜひ必要な対象者をトリアージし、確実に医療につなげる」「自宅で様子を見る選択をした場合の留意点の周知や、不安解消に役割を担う仕組みの構築」などを指摘。(2)に関しては、「自診療所で新型コロナ検査対応が困難でも、地域外来・検査センターへの出務を通じて地域の検査数拡大に貢献して頂きたい」とした。

 また、(3)については、「医療現場は極めて逼迫しており、ほとんど余力がない場合が多いが、可能な限り自宅療養者から求められる対応に応じて頂きたい」と述べた。

 更に、(4)に関しては、「新規感染者の増加に伴い、高齢者施設等での感染者増加が予想される。大規模クラスターの発生につなげないためには、初期対応が重要であり、行政による医師・看護師などの緊急支援チーム派遣体制整備とともに、協力医療機関には事前に施設との連携・情報交換が求められる」とした。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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