日本医師会は新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が再び急増していることを踏まえ、その対応への協力を求める都道府県医師会並びに郡市区医師会長宛ての通知を、松本吉郎会長名で7月7日に発出した。
今回の通知の中では、まず、各地域医師会のこれまでの対応に謝意を述べ、新型コロナウイルス感染症に対する現在の体制について、(1)最大確保病床数は約4・7万床、発熱外来を担う診療・検査医療機関は約3・9万施設(4月22日時点公表率89%)、自宅療養者への健康観察・診療医療機関は約2・3万施設に達している、(2)発熱外来診療体制が構築される前より、各地の医師会においては、地域外来・検査センターや宿泊療養施設等への会員医師の出務や、会員医療機関の看護職員等や医師会職員を派遣する(例えばCOVID―19JMATの枠組みでは、総延べ人数およそ11万人が参加)など、非常に多くの方々が地域医療を守るために従事している―ことなどを説明。
その上で、最近の全国的な新規感染者数の増加を踏まえ、都道府県・郡市区医師会に対して、現体制の堅持に加えて、①都道府県・市区町村行政や医療統括責任者等との緊密な連携②感染患者の受入病床の確保と要請後の迅速な即応病床化③後方支援体制の確立④診療・検査医療機関、受診・相談センターや自宅療養者への健康観察・診療医療機関の拡充(公表を含む)⑤高齢者施設等に対する協力医療機関の実質的な役割の確認と改善、支援体制の強化⑥臨時の医療施設や入院待機施設の整備への協力⑦罹患(りかん)後症状(後遺症)への診療体制⑧コロナ医療以外の通常医療を分担する医療提供体制の整備―等への一層の協力を要請。
日本医師会としても、今回の事態に対処する政府に協力し、厚生労働省等の関係省庁、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会や四病院団体協議会を始めとする医療関係団体、全国知事会等との連携を深め、必要な施策の立案、実施に努めていく意向を示している。