左から角田副会長、横倉名誉会長、松本会長、加藤厚労大臣、エナブレレ世界医師会長、今村常任理事
左から角田副会長、横倉名誉会長、松本会長、加藤厚労大臣、エナブレレ世界医師会長、今村常任理事
松本吉郎会長はオサホン・エナブレレ世界医師会長(ナイジェリア医師会元会長)らと共に11月14日、厚生労働省を訪れ、加藤勝信厚労大臣と会談。低中所得国の厳しい医療環境を説明し、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進に向けて、課題を共有した。
同会談には、横倉義武名誉会長、角田徹副会長、今村英仁常任理事も同席した。
10月に51歳で世界医師会長に就任したばかりのエナブレレ氏は、今回の表敬訪問の機会が与えられたことに謝意を示した上で、自国を始めとするアフリカの低中所得国においては、経済的もしくは地理的な要因により医療機関へのアクセスが難しい状況にあることを強調。
また、医療従事者の多くが高所得国に流出してしまい、医療の専門家が不足していることに加え、がんの診断に使うMRIなどの医療機器も不足しているとして、日本政府に人材派遣や遠隔医療による支援、医療機器の提供などを求めた。
特に、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの中でこれらの問題が露(あら)わになったとして、世界医師会長としてUHCの推進に取り組む姿勢を示し、「日本の経験から多くを学び、それらを他の国々に広めていきたい。横倉名誉会長が世界医師会長の時代に基盤をつくられたUHCを確固たるものとしていく」と述べた。
これに対して加藤厚労大臣は、来年、広島県で開催されるG7サミットの保健大臣会合においてUHCが議題の柱の一つとなっていることを明らかとし、「コロナ禍における対応や、エナブレレ世界医師会長より要望のあったアフリカ等の医療水準、公衆衛生水準の引き上げについてもしっかり取り組んでいきたい」と応じた。