釜萢敏常任理事は7月5日に記者会見を行い、新型コロナウイルス感染症の感染状況や今後の対策等について、日本医師会の考えを説明した。
まず、釜萢常任理事は、類型変更後の新型コロナウイルス感染症の感染状況について、全国的に感染者数が徐々に増えている状況が続いており、第25疫学週(6月19~25日)と第21疫学週(5月22~28日)の定点報告数を比較すると、減少した地域は数件であり、ほとんどの都道府県で第25疫学週での報告数が増加していると説明。特に、沖縄県における感染者数の増加が著しく、第21疫学週から第25疫学週にかけて定点報告数は約4倍まで上がっていることに加えて、鹿児島県を始めとする九州地方の各県では、他の都道府県と比べて増加傾向が顕著であると報告。また、東京都や大阪府でも徐々に増加傾向の状況にあることから、「第9波に入っていると判断するのが妥当ではないか」との考えを示した。
更に、同常任理事は、今年1月と現在の状況の違いについて、沖縄県からの報告を基に説明。類型変更に伴って入院調整等に対する行政の関与が減り、引き受けやすい病院に患者が集まる状況にあることの他、抗原定性検査キットや市販の解熱鎮痛剤などを常備しておくよう呼び掛けられているが、現在、検査キットや市販薬が入手困難な状況にはないことの報告を受けたと概説した。
今後の対策については、「高齢者や基礎疾患を有する人など、重症化リスクの高い人への感染を防ぐことが一番求められる」と強調した他、「感染者数の増加が顕著ではない地域においても、これからの感染状況を注視しつつ、対応策を考えていく必要がある」と述べた。
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