長島公之常任理事は9月20日の定例記者会見で、「令和5年10月以降の新型コロナウイルス感染症の診療報酬上の取扱い」の見直しについて、9月15日に持ち回り開催された中医協総会で了承されたことを受け、日本医師会の見解を明らかにした。
会見の冒頭、同常任理事は新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)が類型変更された後も、「地域の医療現場では医療の質と患者さんの安全を担保するために、受入態勢を始め、最大限の努力を継続し、尽力してきた」と強調。また、医療現場の継続的な取り組みにより、新型コロナへの対応が改善・効率 化されている部分はある一方、PPEの着用、新型コロナ患者とそれ以外の患者の導線を時間的、空間的に分離することで生じる効率性の低下といった避けることのできない追加的負担や、発熱外来の対応に必要なスタッフなどの雇用継続に要する人件費等があることを指摘するとともに、急性期病床を支援するには、回復患者の受入促進も含め、引き続き地域全体が面となって対応していく必要があるとの認識を示した。
また、現在、新型コロナ患者が依然として多数発生している状況である上に、今冬、更に増加する事態も予想されるとし、「急激な見直しにより、これまでコロナに尽力してきた医療機関の対応力が損なわれるようなことは決してあってはならない」と強調した。
その上で、同常任理事は、今回の特例の見直しについて、日本医師会の主張を踏まえ10月以降も一定程度継続されることになったことを評価するとともに、今後の感染状況や地域医療の現状を見定めつつ、国民の生命と健康を守るため、引き続き医療現場に支援や情報提供を行い、国に対しては必要十分かつ適切な対応を求めていく考えを示した。
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