日本医師会は9月25日、日本医師会認定産業医制度研修会の単位シールがフリマサイトにおいて販売されていたことを公表。今回の行為は断じて容認することはできないとするとともに、再発防止に努める意向を示した。
認定産業医となるためには、日本医師会や都道府県医師会が実施する研修を受講・修了し、単位を取得する必要があり、受講者は研修終了後に、配布された手帳にシールか、捺印をもらうことになっている。
今回フリマサイトでの販売が確認されたシールは、全部で5枚。新たに認定産業医になるために受講する「基礎研修」を修了するための単位シールと、認定産業医を継続するために受講する「生涯研修」の単位シールで、二つのフリマサイトに掲載され、4枚は既に購入済となっていた。
日本医師会では9月上旬に単位シールの販売を確認して以降、厚生労働省の担当部局との連携及び警察への相談も行うなど、鋭意対処してきた。まず、フリマサイト運営者に対して、削除申請し、5枚のフリマサイトの掲示削除を確認、今後出品を取り扱わないよう要請し、全運営者からは、「今後出品されないよう十分に監視する」旨の回答を得た。
公表に当たって、日本医師会は単位シールの他人への販売や譲渡は認定産業医制度の根幹を揺るがすものであり、断じて容認できるものではないと指摘。こうした事態が二度と起きることがないよう、再発防止に取り組み、認定産業医が労働者の安全と健康の保持増進を図るという社会的使命を果たせるよう努めていくとするとともに、既に研修会での受講管理が可能なシステムの構築などのデジタル化に向けた課題を抽出し、検討を進めていることも表明した。
なお、今回の問題を受け、日本医師会では『認定産業医の手引』に「称号(認定)の取り消し」として、「日本医師会長は、認定産業医としてふさわしくない行為のあった医師に対して、認定産業医制度運営委員会および(常任)理事会の議を経て称号(認定)を取り消すことができる」旨の一文を、産業保健委員会の議論を経て追記する予定としている。