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令和6年(2024年)3月27日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース

麻疹(はしか)の流行について

 釜萢敏常任理事は3月27日の定例記者会見で、2023年から国内における麻しんの発生数が増加傾向にあることを報告。1歳児と小学校入学前の児童への定期接種用ワクチンが入手できない等の、不測の事態に対する注意喚起を都道府県医師会に対し発信した他、麻しんについて特集した「健康ぷらざ」を紹介するなどし、医療関係者に適切な対応を呼び掛けた。

 会見の冒頭、同常任理事は2020年の新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、国内における麻しん発生件数は2020年は10件、2021及び2022年を共に6件と減少傾向であったものの、2023年は28件、2024年は3月17日までで20件と、渡航制限が解除されるなどにより、来日する外国人が増加するのに合わせて件数が増加していることを報告した。

 そのような現状を受けて、日本国内でMR(麻しん風しん混合)ワクチンの接種を希望する成人数が増加し、1歳の幼児(第1期)、小学校入学前の児童(第2期)の定期接種のためのワクチンが確保できないのではないかとの懸念が広まったことも踏まえ、厚生労働省が各都道府県に向けて麻しんの国内外での増加に伴う注意喚起の文書を発出した他、日本医師会でも都道府県医師会に対して同様の文書を発出したことを説明した。

 その上で、同常任理事は「第1期及び第2期の定期接種は特に重要であり、これらを最優先で実施する必要がある」との認識を示すとともに、卸売業者に対して、実績に合わせた量のMRワクチンを医療機関に卸すことを求めるとともに、医療機関に対しては、必要以上の量の発注を控えることを要請。日本医師会としても、今後ワクチン接種希望者が増えてくる場合に、ワクチンの不足などが起こらないよう、動向を注視していく意向を示した。

 また、日本医師会制作の『健康ぷらざ』において、麻しんの原因や症状、予防にはワクチン接種が最も有効であること等を特集していることを紹介。医療機関等に対して、待合室等に掲示するなどにより、患者などに広く周知することを求めた。

 その他、記者との質疑応答の中で国民への呼び掛けを求められた同常任理事は、「麻しんの感染拡大により、MRワクチンの接種を希望する大人の方も少なくないと思うが、このワクチンの生産量はだいたい決まっている。まずは第1期、第2期の接種を優先してもらい、余力があれば大人への接種を行うなどし、定期接種に支障がないようにしてもらいたい」と協力を呼び掛けた。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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