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令和6年(2024年)4月20日(土) / 日医ニュース

臨床検査室等の検査精度向上を目指して

臨床検査室等の検査精度向上を目指して

臨床検査室等の検査精度向上を目指して

 令和5年度(第57回)臨床検査精度管理調査報告会が3月8日、日本医師会館大講堂で開催された。
 江澤和彦常任理事の司会で開会。松本吉郎会長と浅沼一成厚生労働省医政局長があいさつを行った。
 あいさつの中で松本会長は、本年7月3日に日本医師会初代会長である北里柴三郎氏の肖像をデザインした新紙幣が発行予定となっていることに言及。「100年以上前から予防医学の重要性を説かれた北里先生の志を受け継ぎ、治療を中心とした医療のみならず、予防・健康づくりにも引き続き貢献していく」とした上で、「同氏の生きた明治・大正時代と比べ平均寿命が大幅に延びた今日、患者さんに質の高い医療を提供するためにも、病院の検査部門や衛生検査所の検査結果が医師にとってはますます重要になっている」とし、本報告会が、臨床検査精度の更なる向上に資するものとなることに期待を寄せた。
 引き続き、3200施設が参加した第57回臨床検査精度管理調査に関する、(1)臨床化学一般検査1、(2)臨床化学一般検査2、(3)臨床化学一般検査3・糖代謝・尿検査、(4)酵素検査、(5)脂質検査、(6)腫瘍マーカー、(7)甲状腺マーカー・感染症マーカー・リウマトイド因子、(8)血液学的検査、(9)測定装置利用の動向、(10)総括―について、日本医師会臨床検査精度管理検討委員会委員による講評の後、総合討論が行われた。
 総括では、高木康委員長が、アンマッチ例が報告された施設数について触れ、「昨年よりも悪化した項目が増えるばかりでなく、3施設以上報告された項目が4項目あった」として、誤登録を防ぐよう注意を促した。
 また、今回の結果については、①トレーサビリティ確認実施施設は年々増加しており、今後も定期的な確認が求められる②臨床化学一般項目、酵素項目ではばらつきが小さく、施設間互換性が確保できている状態である③腫瘍マーカーのばらつきはあまり改善されておらず、試薬・装置間の差が大きい④免疫学的測定法は試薬・装置間の差が大きく、今後の改善が必要である―ことなどを説明した。
 その上で、同委員長は「日本医師会臨床検査精度管理調査は大・中・基幹病院ばかりでなく、小規模病院の検査室、衛生検査所、メーカーなどが参加している日本最大規模の臨床検査精度管理調査であり、日本の臨床検査の現状を反映したものと言える」として、その意義を強調。今後の課題としては、同一施設内の複数機器・試薬(緊急検査用や装置)に対する調査のあり方の改善等を挙げた。
 その後の総合討論では、事前に参加施設等から寄せられた質問や意見に対し、担当委員からそれぞれ回答を行い、報告会は終了となった。

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