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令和6年(2024年)4月20日(土) / 日医ニュース

診療所の新興感染症に対する総合力を一層高めることを目指して

診療所の新興感染症に対する総合力を一層高めることを目指して

診療所の新興感染症に対する総合力を一層高めることを目指して

 診療所における新興感染症対策研修が3月24日、日本環境感染学会の協力の下、日本医師会館で初めて開催され、午前と午後に分かれて、100名を超える参加者が実技実習などを行った。
 本研修は、参加者に都道府県及び郡市区医師会において、次の新興感染症のまん延時を想定した診療所における感染対策・発熱外来・自宅療養者居宅への往診、訪問診療等での感染症対策研修の企画・実施をしてもらう際に必要な知識・知見・技術を身に付けてもらうことを目的として、開催したものである。
 研修を開催するに当たって、日本医師会では会内に「新興感染症対策研修検討委員会」(プロジェクト委員会)を設置。研修プログラムや研修実施方法等について検討を行ってきた。

240420i2.jpg 研修は釜萢敏常任理事の司会で開会。冒頭のあいさつで松本吉郎会長は、本日の研修を通して出された課題や提案を基に、今後の研修内容の充実に努めていく考えを示すとともに、本研修が全国の診療所の新興感染症に対する総合力の強化に寄与することに期待感を示した。
 引き続き、舘田一博新興感染症対策研修検討委員会委員長/東邦大学微生物・感染症学講座感染病態・治療学分野教授が本研修の趣旨について説明。「今回の研修で基本的な事項を再確認し、地域に持ち帰ることで診療所のリテラシーを高めてもらいたい」とした。
 その後、事前にJMAT―eを利用して「新興感染症概論」「医療提供体制」「標準予防策」等に関する講義を受講してきた参加者は、「標準予防策」「PPEの着脱」「検体の採取」などの実技実習や、ゾーニングに関する机上演習を受講した。

240420i3.jpg 研修を終え、釜萢常任理事は「今回のような実務研修を繰り返し行っていくことが大事になる」と強調し、日本医師会としても各地域の開催状況を見ながら、取り組みを進めていく意向を示した。また、3月でコロナ特例が終了することにも触れ、「現場では今後もコロナを念頭に置きながら対応しなければならないことに変わりはなく、国には適切な対応を引き続き求めていきたい」として、理解を求めた。
 最後にあいさつした茂松茂人副会長は「新興感染症に備えて、各医師会は国民の生命と健康を守る立場からしっかりと対応していかなければならない。そのためにも今回のような研修を横展開していくことが必要であり、各地域でもぜひ、伝達講習の開催をお願いしたい」と述べた。

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