多くの地域でそうであろうと思うが、人口減少や少子高齢化に伴い、私が所属する郡市医師会の看護学校は10年ほど前から定員割れとなっている。昨年は、定員40名に対して何と新入生15名という寂しさ。
そこで、この1年間、医師会と市がタッグを組んで対策を講じてきた。まず、市からの援助も受け、学生募集に特化した職員を雇った。地域外からの生徒には3万円の家賃補助を行った。更には、一般市民200名以上にサポーターとして活動してもらった。
私個人も、中学校や高校で話をしたり、学生の職業体験を受け入れたりした。
何が功を奏したのか分からないが今年の新入生は28人、まだ定員割れではあるが、昨年の倍近くになった。
意外なこともあった。十数年前のこと、高校生の子どもに足元を見られまいと、参考書を買って密かに勉強して教えた。長男の卒業後は、頭の体操も兼ねて、今度は職員の子ども達を教えた。
その中高生だった子ども達が大学に入ったり就職したりする頃になったのだが、不思議なことに、看護師や薬関係など医療系に進む子が多いことが分かった。
親が医療職だからだろうと思っていたのだが、ある親から、「先生が勉強を教えた影響ですよ。医師になりたいとも思ったそうだけど、看護師を目指したみたい」と言われて驚いた。
そう言えば、ある医学部生も「中学の時、医学部の先輩と話したのがきっかけで医者を目指した」と言っていた。
最近ではがん教育なども取り入れられつつあるが、医師や看護師などの医療職と学生さんとが話をする機会を増やせないものかと思案中である。
何でもありの「学生さんいらっしゃい!」
(グレートさくら)