日本医師会役員就任披露パーティーが7月23日、都内のホテルで開催され、第156回日本医師会定例代議員会で選任・選定された第2次松本執行部が披露された。 本パーティーはコロナ禍を経て6年ぶりの開催で、当日は、岸田文雄内閣総理大臣を始めとする現役閣僚や与野党の国会議員を始め800名を超える出席者が集まり、新執行部は祝福と激励を受けた。 |
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新役員一同は午後5時、盛大な拍手に迎えられて登壇(写真上)。茂松茂人副会長が、令和6年能登半島地震における日本医師会災害医療チーム(JMAT)活動への協力に謝意を表した上で、「本日は岸田総理や国会議員の方々、また全国から多くの先生方にご出席を賜った。松本執行部2期目の役員就任披露を行うが、最後までよろしくお願い申し上げる」と開会を宣言し、パーティーはスタートした。
冒頭、あいさつに立った松本吉郎会長は参会者に感謝を述べるとともに、「日本医師会の大きな使命は、国民の生命と健康を守り、そして医療機関、医師の支援をしっかりと行うことである」と言明。
また、新紙幣の発行に当たって、初代日本医師会長の北里柴三郎先生が新千円札紙幣の肖像画に選ばれたことに触れ、「医療に対する期待の表れではないか。北里先生の高邁(こうまい)な理想と精神を受け継ぎつつ、役職員一丸となって会務に臨んでいく」との姿勢を強調した。
引き続き、来賓者から祝辞が述べられた。
最初にあいさつした岸田総理は、「日本の医療は、世界に冠たる国民皆保険制度の下、先生方の力添えによって健康長寿社会を実現してきたが、日本の社会はどんどん変化しており、国民の健康のために私達は努力を続けていかなければならない」と指摘。
政府として、かかりつけ医機能を発揮できる制度の整備や、地域医療構想のバージョンアップ、医師の偏在是正、医療DXに取り組む一方、ベースアップ評価料の新設で医療従事者の賃上げも手当てしたとし、日本医師会には国民の期待を受けて一層活躍することを求めた。
続いて、武見敬三厚生労働大臣が登壇。医療行政における重要なテーマとして、(1)マイナ保険証の普及、(2)医療従事者の賃上げ、(3)将来を見据えた医療提供体制の検討―を挙げ、医療従事者の働き方改革に加え、医師の偏在是正を図るための経済的なインセンティブや規制的手法などを組み合わせた、総合的な対策を進めていくとした。
また、高齢者人口がピークを迎える2040年を見据えた新たな地域医療構想の検討を本格化させていくとして、「このような重要なテーマについて、引き続き松本会長を始め、役員の皆様と率直に議論を重ねていきたい」として、理解と協力を求めた。
茂木敏充自民党幹事長は、「北里先生が新千円札の肖像画に採用されたが、千円札は国民に最も身近な紙幣であり、医師会や医療関係者に対する国民の親近感が更に高まることを期待したい」とした上で、令和6年度の診療報酬改定に言及。「引き続き国民の安心・安全を守る医療体制の確保に全力で取り組み、地域に根差した医師会の活動を後押ししていく」と述べた。
門脇孝日本医学会長は、日本医師会からの日頃の支援に感謝すると述べるとともに、今後ますます日本医師会と連携を強めて活動していく考えを示した。
その後、柵木充明日本医師会代議員会議長/愛知県医師会長の音頭により乾杯が行われた。
会場には、第2次松本執行部を祝うために多くの人々が駆け付け、激励の言葉が飛び交った。
歓談の合間には横倉義武名誉会長が登壇し、松本会長の2期目の就任を祝うとともに、「大変な時代の日本医師会長として、日本の医療を引っ張り、国民の生命と健康を守って頂いていることに敬意を表する」とあいさつ。震災等に対応しつつ、さまざまな難題を解決していかなくてはならない中で、日本医師会が素晴らしい団体であると国民に思われる活動が展開されるよう期待を寄せた。
自見はなこ内閣府特命担当大臣は、「地域医療を守って下さっている先生方がおられるからこそ、国民の安心・安全は守られている。そういう意味ではここに参集されている先生方が私達の社会を底支えしている」と述べ、謝意を示した。
この他、松本剛明総務大臣、上川陽子外務大臣、林芳正内閣官房長官、新藤義孝経済再生担当大臣を始めとした現役閣僚などが訪れ、新執行部誕生を祝うあいさつが行われた。
午後6時50分、角田徹副会長が、「本日はたくさんの激励を頂いた。これからも厳しい状況が続くが、松本会長の下、執行部一丸となって会務に当たりたい」と参会者へ謝辞を述べ、パーティーは盛会裏に終了となった。