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令和7年(2025年)3月5日(水) / 南から北から / 日医ニュース

60歳でバタフライ!

 まもなく還暦と言われる年齢になる。今の思いは「いつの間にかもうそんな歳か」である。つらかった事もあったが、そのおかげで次の成長につながったと思っている。日々やりたい事をやって今に至った事にはある意味満足している。
 そんな自分は7、8年前から水泳を始めた。飽きっぽい性格ではあったが「60歳でバタフライ」と目標を決めて今も続けている。バタフライくらいと思っていたが、これがなかなかうまくできずにいる。それどころか、既にできていると思っていたクロール、背泳ぎ、平泳ぎでさえ、まだまだと思えてならないのだ。「美しく、カッコよく」を自分のキャッチフレーズにして日々練習しているが、泳ぎの参考にしようとYouTubeを見るたび、「ここができていない」の連続なのである。物事は何でもそうだが、一つの事を直そうとすると別の事に注意がいかず、そちらを直そうとするとまた別の事ができなくなる。そんな中、YouTubeでよく見ている水泳インストラクター曰く、「バカほどやる、やって、やって体に染み込ませて下さい」。という事で、毎日2000メートルクロールをやっている。ひと手ひと手のかき方を見直しながら、教えを守ってゆっくりと、「バカほど」やっている。ようやくそれらしい形になると、プールの指導員の方々から「うまくなったわネェ」と言われるようになった。とはいえ、まだ自分の中では理想の形にまではなっていない。修行あるのみである。
 さて、プールの隣のコースでは、小学生達の教室も毎日ある。小さな頃は自分もあんな感じで泳いでいたのだろうかと思いつつ、よく顔を合わせる子ども達とは少し話をするようにもなった。こちらからは「君達」「ボク達」と呼ぶのだが、彼らから自分に向かって出たのは何と「おじいちゃん」だった。ちょっとショックではあったが、この歳になると孫もいる同級生達もたくさんいるし、まぁそう見えるものかと思った。しかしながら実際プールに入れば、泳いでいる大人はどう見ても自分よりも年上の人達ばかりである。70歳を過ぎて、グループを作り若い人達を率いてとにかく激しいメニューをこなしている人もいる。80歳を過ぎて、バタフライをやっている人もいる。そんなもっとすごい「おじいちゃん」達に負けないよう、自分も頑張りたい。
 水と仲良く、水とお友達になって、泳ぎは「美しく、カッコよく」をキャッチフレーズに「60歳でそこそこバタフライ」に目標を変えて、これからも続けようと思う。皆さんも健康のため、水泳はいかがですか。そう、患者さんには「運動しなさいよ」って言っている、そこのあなたです。

富山県 富山市医師会報 NO.646より

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