令和6年度都道府県医師会会員情報担当理事連絡協議会が1月30日、日本医師会館小講堂でWEB会議との併用で開催された。
本協議会は医師会会員情報システム(MAMIS)の現状や、今後搭載を予定している研修管理機能等に関する内容、医師及び各医師会事務局がMAMISの利用を始めるまでの流れについて説明することで、MAMISに対する理解・促進を図ることを目的として開催したものである。
冒頭、あいさつした松本吉郎会長は、日本医師会の会員数が、昨年12月1日時点で前年比1450名増加の17万7383名となったことを挙げ、都道府県・郡市区等各医師会への組織強化への協力に感謝の意を述べた。その上で、昨年10月末に公開したMAMISについて、これまで課題とされていた書類による入会・異動等の手続きをWEB上で行えるようにすることで、医師会員及び医師会に入会を希望する医師の負担を軽減するとともに、各医師会での情報管理や手続きの効率化を実現するものであると説明。
今後については、「研修医の先生方に積極的にMAMISを周知して、マイページの作成や入会を促進し、組織強化を一層推進していく」と述べ、会員及び事務局に引き続きの理解と協力を求めた。
当日の議事は、(1)連絡協議会の趣旨、(2)各種認定医に関するMAMIS対応、(3)MAMISの今後の予定―についてであった。
(1)では、長島公之常任理事がMAMIS開発の背景として、まず①2016年から運用してきた「会員情報システム」が構築から約8年が経過し、老朽化や業務への課題が浮き彫りとなっていた②紙の届け出用紙への記載や手続きの煩雑さもあり、特に若手医師が2年間の臨床研修修了後に、C会員からB会員等へ異動する際の手続きに負担を感じ、会費減免期間中にもかかわらず医師会を退会する等、会員の定着率にも影響する課題が散見された―こと等を挙げた上で、令和5年1月に会内の医師会組織強化検討委員会から「全国の会員・医師会が共通で利用可能な入退会・異動等のWeb手続きシステムの構築」の提言を受けたことで開発が始まったと説明。「多岐にわたる業務を行う各医師会において、MAMIS導入作業の負荷は少なくないと認識しているが、MAMIS導入の取り組みは『全医師会共通の取り組み』として認識して頂きたい」と述べ、協力を求めた。
(2)では、松岡かおり常任理事が4月7日よりMAMISに追加される研修管理機能について、令和5年9月に発覚した、日本医師会認定産業医制度研修会の単位シールがフリマサイトにおいて販売されていた問題を受け、再発防止策として研修会単位の厳格な管理を目指し搭載されるものであると説明。その上で、MAMISが認定産業医及び認定健康スポーツ医のポータルサイトとして使用可能となることを踏まえ、①認定医が知っておくこと②認定医を目指す医師が知っておくこと③研修会主催者が知っておくこと④医師会事務作業に関すること―について、それぞれ解説した。
①と②では認定医の各種手続きについて、MAMISのマイページ登録が必須であり、3月28日までの登録完了で4月7日以降の各種手続きが可能になることを説明。特に①では、4月1日以降の研修会で取得した単位はMAMISで管理され、紙面での手続きは廃止されることを強調した。
③では、単位の付与について、4月1日以降開催される研修会においては、開催から1カ月以内に主催者がExcel等を用いて受講者情報と単位をMAMISに登録する必要があるが、その際に、単位シールや修了証などの付与は二重の単位付与を避けるため、発行しないよう注意を促した。
④では、従来の業務に加え受講者の単位登録の確認が追加されたことや、ペーパーレス化が進む中でも、一部の業務では従来どおり紙で行うこと等を解説。また、MAMISへの円滑な移行のために、都道府県内の認定医や、都道府県内で研修会を開催する主催者への案内等への協力を求めた。
(3)では、日本医師会事務局よりMAMISの現在の状況として、都道府県医師会を通じてほぼ全ての会員情報がMAMISへ移行済みであることを報告。また、日本医師会への入会等手続きは原則MAMISを通じて医師自らが行うよう、周知への協力を求めた。
その他、①生涯教育制度②日医かかりつけ医機能研修制度③会費減免申請のオンライン化―について、MAMISの今後の予定を詳説した。
①については、3月28日をもって現行の研修管理システムへの申告書データ入力、研修会情報及び受講実績登録が停止となり、4月以降はMAMIS内の研修管理機能へ入力や登録を行う必要があることを説明。2024年度分の申告書データや研修会情報、受講実績は、6月30日までにMAMISへ登録するよう求めた。
②についても同様に、応用研修会受講者や修了申請者の管理機能を、これまでの研修管理システムからMAMISへ移行することを説明。修了申請の受け付け等については実態を踏まえながら、機能を搭載できるか検討することが報告された。
③について、2024年度分は従来どおりの申請書を利用し、2025年度分からはMAMISで申請から承認までを行えるよう機能を開発予定であることを説明。事務効率の向上を図るために、減免対象者の抽出機能や、総括表等の添付書類の作成支援機能の追加を検討しているとした。
引き続き、事前に都道府県医師会から寄せられた質問に対する回答及び参加者との質疑応答が行われた後、総括を行った茂松茂人副会長は、複写式の届け出用紙の廃止に始まり、MAMISへの切り替えまでの協力に対し改めて感謝の意を述べた上で、「今後、さまざまな機能が追加されることでMAMISが育っていくためには、各医師会の協力が不可欠だ」として、更なる協力を要請した。
また、角田徹副会長は「今後も各医師会からの意見を参考に、MAMISをより良いシステムに進化させていくので、引き続きの活用をお願いしたい」と述べ、協議会は終了となった。