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令和8年(2026年)1月20日(火) / 日医ニュース

日本医師会からの問題点の指摘などを踏まえOTC類似薬の保険適用除外は見送りに

 昨年12月19日に自由民主党と日本維新の会の政調会長間で合意がなされ、OTC類似薬の保険適用除外を見送り、OTC医薬品の対応する症状について、適応がある処方箋(せん)医薬品以外の医療用医薬品のうち77成分、約1100品目程度を対象に、薬剤費の4分の1を「特別の料金」として求める新たな仕組みを創設するとともに、その際には子ども、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている人、低所得者、入院患者、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える人等に対する配慮を検討していくこととなった。
 OTC類似薬の保険適用の見直しについて、日本医師会はこの問題が提起された当初から保険適用除外に強く反対する考えを定例記者会見などで表明。その問題点などを指摘したショート動画を制作し、公式YouTubeチャンネルに掲載するなど、国民の理解を得るための活動も行ってきた。
 日本医師会がOTC類似薬の保険適用除外に反対してきた理由としては、主に(1)患者・家族の経済的、物理的な負担の問題、(2)アクセス等の問題、(3)医学的な見地からの問題―が挙げられる。
 (1)に関しては、①医療用医薬品であれば1~3割の負担であるが、一般用医薬品ではその10~30倍の価格になるものもあり、その金額が自己負担になってしまう②特に影響が大きいのが、難病や心身障害者、小児の医療費助成等で、助成の対象外となってしまうなど、病気で苦しむ人や経済的弱者の負担が重くなる―ことを強く主張。
 また、(2)に関しては、OTC類似薬が保険適用除外となると、「医療機関にアクセスできたとしても、地方やへき地等で市販薬に簡単にアクセスできない地域もあり、そこでは患者に薬が届かない」「院内での処置等に用いる薬剤や、更には薬剤の処方、また在宅医療における必要な薬剤使用にも影響が出る」などの問題があると指摘。
 更に、(3)に関しては、重篤な疾患の早期発見・早期治療の機会を失うことにより、健康被害が懸念されるなど、さまざまなリスクがあること、患者が何の薬を使っているか、医療機関で把握できなくなるなどの問題も危惧されるとしていた。
 OTC類似薬の保険適用除外が見送られることになったことを受けて、松本吉郎会長は「日本医師会として強く反対していた保険適用除外は行われなかったが、保険適用内とは言え、一部の患者の自己負担増が発生することは間違いない」とした上で、子どもや難病患者など、配慮が必要な人達に対しては慎重な対応を求めたいとの考えを示している。
 今回設けられることになった新たな仕組みの対象医薬品については、厚生労働省が昨年12月25日に開催した社会保障審議会医療保険部会に77成分の案を提示した。
 なお、厚労省はこの案について、OTC医薬品と成分や投与経路が同じで、1日の最大用量が異ならない医療用医薬品を機械的に選択したものとしていることから、今後は令和9年3月の実施に向け、専門家の意見も聞いた上で、具体的な品目の選定を行っていくことになっている。

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