医学の発展と医療水準の向上は、国民に多大な恩恵をもたらしましたが、日進月歩の医学医療に対応するため、医療関係職種には常に新たな知識の修得が求められています。医療の高度化は診断治療の範囲を拡大させており、また、高度情報化社会の進展によって国民のニーズはますます多様化しています。
このため、各医療機関の従事者の業務は煩雑化を極め、またその内容は多岐にわたる傾向を強めています。
このような状況の中、医療機関としていかに患者の安全を確保していくかが喫緊の課題となっています。
患者の安全を確保するためには、まず個々の医療関係者の真摯な努力が必要であることは言うまでもありません。しかし、個別的対応には限界があり、医療機関や医師会が組織的に対応することが重要となっています。
そして、医療機関において合理的かつ適切な安全管理を実施するためには、安全管理に対する知識と技術を身につけた人材の確保が必要となっています。
このため、日本医師会医療安全推進者養成講座(以下、「本講座」)は、医療事故や医療紛争の背後にある本質的な問題に適切に対処できる人材を育成・養成することによって、医療関係機関の組織的な安全管理体制の推進を図ることを目的として、平成13年に開設されました。
開設から5年間は、紙媒体による通信教育という形で行ってきましたが、受講者のご要望や時代のニーズに沿ったものにしたいと考え、平成18年度からe-learning方式に変更しました。平成29年度も引き続きe-learning方式で継続してまいりますので、関係者の方々のご理解を賜りますようお願い申し上げます。