古代人はどんな生活をしていたか、何を食べていたのだろうか。あるいは、どんな病気があったのか。近年、考古学の研究がすすんで、いろいろなことが分かってきた。
それをどうやって調べるのだろう。実は、遺跡を調べるとき、便所を探す。便所の土を調べると分かる。土の中に、糞石という化石があれば、それを分析する。すると、魚骨や虫卵がでてくる。また、土を食品化学的に調べると、どんな穀類を食べていたかが分かる。このほか、墓を調べると、胃腸のあたりの土に、亡くなる直前に食べたものが残っていることがある。これらを調べた結果、古代人がカタクチイワシを食べていたことや、回虫、横川吸虫などの寄生がみつかる。寄生虫は古代から現代までどっこい生きていた。
病気には古いもの、エイズのように新しい病、天然痘のように消えた病気がある。最近、筆者は、こうした話を『病が語る日本史』(酒井シヅ著・講談社発行)でまとめた。
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