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平成27年(2015年)10月20日(火) / 日医ニュース

「北海道発 がんは防げる。~医療の連携と地域の支援~」をテーマに

「北海道発  がんは防げる。~医療の連携と地域の支援~」をテーマに

「北海道発  がんは防げる。~医療の連携と地域の支援~」をテーマに

 「日本医師会テレビ健康講座─ふれあい健康ネットワーク」の収録が9月12日、北海道医師会並びに北海道文化放送の協力の下、札幌市内のスタジオで行われた。
 本事業は、地域医療における地域医師会の役割を住民に理解してもらうことを目的として、平成元年から実施しているもので、今回が今年度最初の収録となった。
 番組では、「北海道発 がんは防げる。~医療の連携と地域の支援~」をテーマに、早期発見・早期治療のためのがん検診の推進やがん患者のサポートなど、北海道医師会が道民向けに行っているさまざまな取り組みを具体的に紹介するとともに、最先端のがん治療についても分かりやすく解説するなど、道民に早期に検診を受けることの重要性を訴えるものとなった。
 VTRでは、まず、毎年5万人前後が亡くなると言われている胃がんについて、浅香正博北海道大学大学院医学研究科がん予防内科学講座特任教授が、「胃がんの原因の98%はピロリ菌の感染によるものであり、適切な除菌処置を行うことで予防の可能性がある」と解説。ピロリ菌に関しては、道南、渡島(おしま)半島南西部にある福島町で、小笠原実渡島医師会長(小笠原内科消化器科クリニック院長)が、中学生を対象に実施している胃がん予防のためのピロリ菌検査も紹介し、若いうちから健康を意識することの重要性を指摘した。
 その他、白土博樹北海道大学病院陽子線治療センター長は、最先端のがん治療として、北大が開発した「動体追跡陽子線治療装置」を紹介。「放射線をピンポイントで照射できるようになったため、安全性の面から治療し切れなかった小さながんも治せるようになった」と説明した。
 番組に出演した長瀬清北海道医師会長は、がんの罹患率・死亡率が高く、検診率が低いという北海道の現状を憂慮。その上で、「がんは自覚症状がなく、症状が出た時には既に進行している場合が多いが、早期発見できれば適切な治療ができ、がんが原因の死亡を減らすことができる」として、早期発見・早期治療の重要性を改めて強調した。
 また、石川広己常任理事は、がんに対する関心を高め、早期発見・早期治療を推進する北海道医師会の取り組みを高く評価するとともに、来年1月から始まる全国がん登録制度に触れ、「より良いがん医療を受けられるように体制が整備されることになる」として、がん検診の早期受診にもつながることに期待感を示した。
 なお、番組は10月3日(土)に、北海道文化放送で30分番組として放送された。

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