日医は10月21日、厚生労働省が一般財団法人化学及血清療法研究所(以下、化血研)に対するインフルエンザHAワクチンの出荷自粛要請を解除したことを受けて、同日に声明を発表。今回の措置を、感染症危機管理対策上、評価するとした上で、このような事態が二度と起こらないよう、全てのワクチン製造会社に対して、より厳格な製品管理の徹底を強く求めた。
化血研のインフルエンザワクチン(約1700万回接種分)については、本年6月、化血研の血液製剤が薬事承認された製造方法と異なる製造実態が確認されたことにより出荷停止処分を受けたために、既に国家検定済の血液製剤と同様、薬事承認と異なる製造実態の可能性があることが判明。本年9月以降、品質、安全性等に関する確認調査のため、出荷を見合わせている状況が続き、万が一このまま同ワクチンが出荷されない場合には、約1050万回分が不足することが予測されていた。
このため、日医では、特に重症化のリスクが高い高齢者や小児等に対して十分なワクチン供給が困難になれば、公衆衛生政策上、極めて憂慮すべき事態となるとして、厚労省及び関係業界に対して、化血研以外の国内製造3社(一般財団法人阪大微生物病研究会、デンカ生研株式会社、北里第一三共ワクチン株式会社)のワクチンの前倒し出荷と速やかな代替を要求。
それと同時に化血研ワクチンの安全性及び有効性の迅速な確認と、確認後の速やかな出荷停止解除を厚労省に申し入れていた。